【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

気を取り直して、王都にドレスを買いに行こうとすると顔が真っ青な父を説得した。
苛立っていた母も『あなたが一番美しくないとダメなの!』そう言ってくれたことで、エディットと同じ気持ちなのだと知る。

「今はこんなことをしている場合ではないのに……」

そう言っている父を説得して家族で王都に向かったが、何故か周囲からは居心地の悪い視線を感じていた。
いつもは羨望の眼差しを受けるはずなのにどうしたことだろうか。
そのことを不思議に思っていたが、特に気にすることはなかった。

むしろ衝撃的だったのはここからだ。
エディットたちがブティックに入ろうとすると門前払い。
店に入ること自体が許されない。
最初の一、二軒はたまたまかもしれないと思っていた。
けれどどのドレスショップに行ってもティンナール伯爵家が受け入れられることはない。
無理やり入ろうとすると衛兵を呼ぶと言う。まるで泥棒のような扱いだった。
父がいくらでも金を出すと言っても母が金切り声を上げても変わらない。

(どういうこと!? これじゃあ新しいドレスを買えないじゃない!)
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