【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
アンリエッタはそれを聞いて目を見開いた。
ほんのりと頬が赤くなり髪の毛をいじっているところを見るにヴァネッサの予想は大当たりだ。


「そうなの……? 本当に?」

「そうよ。だって関心がないのにそんなこと言ったりしないでしょう?」

「たっ、確かにそうよね! ……ふーん、そう。マエル殿下も可愛いところもあるじゃない」


アンリエッタはほんのりと頬を染めている。
マエルのことを思い出しているのだろうか。
にこやかに笑ったヴァネッサはアンリエッタとマエルの恋がうまくいくことを祈っていた。

その夜にヴァネッサはいつものようにギルベルトと過ごしていた。
ヴァネッサの体調が完全に回復してから、こうして積極的に触れたり恋人らしい行動をとる機会も増えている。
ヴァネッサの片想いだと思っていたのだが、いつの間にか両思い。
最近は彼の勢いに押されっぱなしである。
仕事をしている時はクールで淡々としているのに、普段はとても情熱的なようだ。

どうやらギルベルトは仕事とプライベートをきっちりとわけるタイプということだろう。
たまに『……疲れた』と、ヴァネッサに甘えてくれることも。
ヴァネッサを抱きしめながら癒しを求める彼が大型犬のようで可愛らしい。

そのまま寄りかかって寝てしまった時はどうしようかと思ったが、そんなところも心を許してもらっているようで嬉しかった。
ギルベルトは意外にも仕事以外はずぼらで寝ぼけている姿も見られるようになった。
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