【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
アンリエッタはギルベルトと目が合ったことで、気まずそうに一歩下がる。
しかしアンリエッタが持ってきてくれたクッキーに目を奪われたヴァネッサはベッドに座りつつも彼女を手招きする。
『来てくれてありがとう。アンリエッタ』
『ヴァネッサが大変だって聞いたから居ても立っても居られなかったの』
そう言って微笑んだアンリエッタにヴァネッサは安心したように微笑んだ。
アンリエッタはギルベルトを気にしつつベッド横の椅子に腰掛ける。
レイからヴァネッサの状況を聞いたアンリエッタは持ってきたクッキーを彼女に預けた。
『今日は熱があるからクッキーはお預けね』
『そ、そんなぁ……!』
『ふふっ、ヴァネッサは本当にクッキーが好きね』
『クッキーを食べるために早く体調を治すわ!』
それからギルベルトが少し離れたテーブルで薬の調合している中、いつものようにアンリエッタと楽しげに話していると、どこから感じる視線……。
視線の先、ギルベルトの赤い瞳と目が合う。
彼は何故か手を止めて、こちらを驚いたような表情で見つめているではないか。
ヴァネッサがコテンと首を傾げると、ハッとしたギルベルトは再び視線を戻してから動き出す。