【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
「わたくしが……お父様と?」

「アンリエッタ?」


アンリエッタが珍しく口ごもる。
彼女は何かを話したそうにしていたが、ヴァネッサが待っていると小さな声でギルベルトとのことを話し始めた。


「お父様とわたくしは似ているのかしら……」

「えぇ、よく似ていると思うわ」


整った顔も性格も発する言葉も度々、そっくりだと思うことがある。


「…………そう」


アンリエッタは俯いて悲しそうにしている。
年頃の女の子に父親と似ているのはよくなかったのだろうかと考えていると、アンリエッタは自らの悩みを打ち明けてくれた。


「最近はお父様とあまりよく話していないの。忙しいのは前からだけど……」

「……!」

「もうわたくしのことなんてどうでもよくなってしまったのかしら」


アンリエッタが言っている最近とは、もしかしてヴァネッサが来た時期と重なるのだろうか。
そうなるとヴァネッサに時間を取られていて、ギルベルトとアンリエッタが一緒に過ごす時間を奪ってしまったのかもしれない。

(最初の頃、ギルベルト様はつきっきりで診てくださっていたから……もしかしてそれで二人の関係に亀裂が!?)

そう思うと、ヴァネッサは申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。


「ごめんなさい、アンリエッタ。もしかしてわたしがここにきたことがきっかけで二人の時間が……!」
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