【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
「いいえ、違うわ。ヴァネッサが来る前からなの。だんだんとお父様と話しづらくなってしまったの……なんでかわからないけど」

「……そうなのね」

「お父様に甘えたいけど、素直になれなくなって……」


ヴァネッサはアンリエッタの話を聞きながら納得していた。
確かこのくらいの時期に父に対して少しだけ反抗的になったことがあったことがあったかもしれない。
特に意味はなかったけれど、まるで愛されているかを確かめるように。
前世でも反抗して無理難題を父に言って困らせていた。
しょんぼりとしていた父には今になって申し訳なく思う。

(あの時、お父さんはかなり落ち込んでるってお母さんが言っていたっけ……ギルベルト様はお父さんのように素直なタイプじゃなさそうだし)

それは父親と娘ならではの問題なのかもしれない。
アンリエッタはギルベルトのことについて、ずっと思い悩んでいたのだろうか。
次々と彼女の不安が口からこぼれ落ちていく。
ヴァネッサはアンリエッタの話に相槌を打ちながら最後まで聞いていた。


「それに……お父様の噂のこと許せないの」

「……え?」
< 79 / 210 >

この作品をシェア

pagetop