【完結】悲劇の継母が幸せになるまで
アンリエッタがギルベルトの噂を話してくれたが、エディットと侍女たちがヴァネッサに言っていたことが一致していた。
それは人体実験をして今までの妻を殺した。
兄を殺して公爵家を奪ったなどの心ない噂だった。
ヴァネッサは噂が流れるようになった詳しい経緯は知らないが、ギルベルトがそんなことをする人物ではないことだけはわかる。
ここにきたばかりの時にレイやセリーナに聞こうと思ったが結局、今まで聞いてはいない。


「ヴァネッサも最初は噂を聞いて、お父様のことが怖かったんでしょう?」

「…………!」


ヴァネッサはエディットにシュリーズ公爵についての悪い噂を吹き込まれていた。
それをすべて信じたヴァネッサは恐怖からあんな行動を取ったのだ。
アンリエッタはヴァネッサが自ら傘を喉元に突き立てる姿をどこかで見ていたのだろうか。


「お父様の噂は全部嘘だってヴァネッサに教えてあげたかったの。お父様を信用してほしいって……」

「……アンリエッタ」

「近づいてはいけないと言われていたけれど、どうしてもわかってほしかったのよ」


ヴァネッサはアンリエッタの気持ちを知って涙が出そうになった。
彼女はギルベルトのことを思い動いたのだろう。


「お父様は仕事の合間に困っている人たちを救っているの。前のお母様……クロエ様もわたくしのお母様もそうだったのよ」

「…………!」
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