愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】
数日後の朝、学校で桜塚と永瀬が朝から話をしていた。
「なんだよ、いつの間に秘密のふたりきり配信始めたんだよ。ひどいな。もう俺らとはやらないのか」
「いや、秘密ではないし。それに別に四人の配信も辞めるわけではないから」
ふたりだけの配信もこっそりしよう的なことを永瀬が言っていた気もしたが、永瀬の配信を欠かさずチェックしている桜塚と山田には速攻バレた。まぁ、永瀬もすぐにバレると予想しながら提案したのだろう。
ふたりきりの配信は、静かすぎるけれどすごく好評だった。
永瀬専用のチャンネルで配信され、元々コメント数も多く、チャンネル登録者数はすでに一万人ぐらいで桜塚たちのチャンネル登録者数よりも多かったものの、登録数は更に増えていった。
『優心とかけるんのコンビ最高!』
『癒される!』
『サイレントすぎて好き』
と好意的なコメントも多く寄せられてた。
「もうふたりで撮影しないでよ、妬くわ」なんて桜塚に言われもしたけれど、実は永瀬とふたりで撮影する時間が好きになり、続けたいなとひっそりと思っていた。
そんな中、僕の心が大きく揺れる話を聞いたのは、夏休みになる前だった。
*
ふたりで動画を撮るために永瀬の家にいる時。
「夏休み、泊まりの映画ロケがあるから、しばらく撮影休みになるかな」
「そうなんだ……」
――永瀬に、会えなくなるんだ。
永瀬の言葉に対して平常心を装いながら返事をしたが、心の奥でじわりと寂しさが広がった。自分がこんな気持ちになるなんて想像もしていなかったことに戸惑った。僕は胸の辺りをギュッと掴む。
「どのくらい行ってるの?」と、低い声で尋ねた。
「三週間くらいかな。山奥で撮るから、電波もあんまり良くないみたい。だから連絡もできなくなるかもね」と永瀬は苦笑いしながら答えた。
「そっか、頑張ってこいよ」と、軽くそっけない態度で返してしまう。だけど内心、永瀬と会えない期間を想像して、胸がざわついていた。
永瀬は僕の顔をじっと見て、ふっと笑った。
「優心、もしかして寂しがってくれてる?」
「は? そんなわけないだろ! ただ、風花がうるさくなりそうだから面倒なだけだ」
「そっか」
百パーセントの嘘をついてしまった。
風花よりも僕の心の中の方がうるさくなりそうだ。
「優心にお願いがあるんだけど……」
「なんだ?」
「なんだよ、いつの間に秘密のふたりきり配信始めたんだよ。ひどいな。もう俺らとはやらないのか」
「いや、秘密ではないし。それに別に四人の配信も辞めるわけではないから」
ふたりだけの配信もこっそりしよう的なことを永瀬が言っていた気もしたが、永瀬の配信を欠かさずチェックしている桜塚と山田には速攻バレた。まぁ、永瀬もすぐにバレると予想しながら提案したのだろう。
ふたりきりの配信は、静かすぎるけれどすごく好評だった。
永瀬専用のチャンネルで配信され、元々コメント数も多く、チャンネル登録者数はすでに一万人ぐらいで桜塚たちのチャンネル登録者数よりも多かったものの、登録数は更に増えていった。
『優心とかけるんのコンビ最高!』
『癒される!』
『サイレントすぎて好き』
と好意的なコメントも多く寄せられてた。
「もうふたりで撮影しないでよ、妬くわ」なんて桜塚に言われもしたけれど、実は永瀬とふたりで撮影する時間が好きになり、続けたいなとひっそりと思っていた。
そんな中、僕の心が大きく揺れる話を聞いたのは、夏休みになる前だった。
*
ふたりで動画を撮るために永瀬の家にいる時。
「夏休み、泊まりの映画ロケがあるから、しばらく撮影休みになるかな」
「そうなんだ……」
――永瀬に、会えなくなるんだ。
永瀬の言葉に対して平常心を装いながら返事をしたが、心の奥でじわりと寂しさが広がった。自分がこんな気持ちになるなんて想像もしていなかったことに戸惑った。僕は胸の辺りをギュッと掴む。
「どのくらい行ってるの?」と、低い声で尋ねた。
「三週間くらいかな。山奥で撮るから、電波もあんまり良くないみたい。だから連絡もできなくなるかもね」と永瀬は苦笑いしながら答えた。
「そっか、頑張ってこいよ」と、軽くそっけない態度で返してしまう。だけど内心、永瀬と会えない期間を想像して、胸がざわついていた。
永瀬は僕の顔をじっと見て、ふっと笑った。
「優心、もしかして寂しがってくれてる?」
「は? そんなわけないだろ! ただ、風花がうるさくなりそうだから面倒なだけだ」
「そっか」
百パーセントの嘘をついてしまった。
風花よりも僕の心の中の方がうるさくなりそうだ。
「優心にお願いがあるんだけど……」
「なんだ?」