愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】
 夏休みが始まってから三週間後、永瀬がロケから帰ってきた。

 桜塚と山田から「昼過ぎに集まって、永瀬んちで配信動画撮ろうぜ!」と誘われた。久しぶりの永瀬の家だ。毎日チェックしていたSNSではだんだんと痩せてきたように見えたから、あんまりご飯食べれていないのかな?と思い、昼は食べてそうだから夜にでも食べてくれないかなと思いながら永瀬のために肉がいっぱい入ったカレー弁当を作った。お弁当を作っている最中に暇を持て余している妹たちも永瀬の家に行きたいと言い、撮影中は静かにすることを条件に一緒に行くことになった。

 永瀬の家に着く。緊張しながらドアの前に立つと、中から永瀬が開けてくれた。久しぶりに爽やかな笑顔が迎え入れてくれた。

 「優心、久しぶり。風花ちゃんたちも来てくれたんだね」と永瀬が言うと、さりげなく永瀬の手が僕の肩に触れた。その感触に再びドキッとしてしまった。

「う、うん……撮影お疲れ様、そしておかえり」と、つい小さな声で返してしまう。

 妹たちはリビングでゲームやお絵描きをして待ってもらうことにした。その準備をしてから撮影部屋に入る。

 桜塚と山田がすでに準備を始めていた。

 今日の企画は「夏休みの思い出を語り合いながら、花や飴のビーズなどで可愛いブレスレットを作る」というものだった。

 いつも通りに山田、永瀬、僕、桜塚の順に並んで座り、撮影は始まる。

「優心さま、夏休み何してた?」と桜塚がテンション高く聞いてくる。

「妹たちと遊んだり、普通に手芸してただけ」と答えると「そっか」と桜塚が頷いた。

「かけるんはロケで忙しかったの? 何か面白い話ある?」と山田が永瀬に話を振ると、永瀬は笑顔で「いや、特にないかな。すごく充実していて楽しかった。皆さん優しかったし」と軽く答えた。

「ロケ楽しそうでいいな!」

 主に桜塚と山田がふたりで会話して盛り上がっている。

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