愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】
ふたりの家の中間辺りにある交差点までたどり着いた。見覚えのありすぎる人影がこちらに向かって歩いてくる。スタイルの良い長身と大人っぽい紺色のコート。すぐに永瀬だと分かった。
「永瀬、なんでここに来た!?」
「あっ、優心に会えた! 良かった! 雪すごいけど、大丈夫?」
同時に大声を出し、近づくとふたりは驚いた顔をしながら雪の中で立ち止まる。会えないかもと思っていた顔を見られた安心感、わざわざ大変な中ここまで来てくれたんだとありがたい気持ちが混ざり合う。
ずっと見つめ合った。それからふたりで声を出して笑う。
「優心、鼻赤いよ」
「永瀬も頬がすごく赤い」
「雪もすごいけど、気温も結構低いよね。今日無理しなくても、別の日に会えたのに」
「……今日、どうしても永瀬に会いたかった」
会えた嬉しさで気持ちが盛り上がり、普段言えない本音が素直にぽろりとこぼれる。
「俺も会いたかった。優心、寒くない? 大丈夫?」
「歩いてたから、体がポカポカしている。だけど止まったらまた寒さ感じてきたかも……」
「そこのコンビニ入ろうか。温かい飲み物でも買おう?」
近くのコンビニに駆け込み、店の中の暖かい空気で全身を温めた。ペットボトルのホットココアをふたつ買うと再び外に出る。ひとりの時と気持ちが全然違う。例え今から大雪がまた降り出しても、永瀬の家まで着くのが余裕だなとまで思えてくる。
永瀬がいれば、大変だった時間が大好きな時間へと変化する。
ひとりの時は不安が強かったのにな。
ホットココアを飲むと、蓋をしてコートのポケットへ。
「優心、こんな雪なのに来てくれようとするなんて、実はびっくりした」と永瀬が柔らかく微笑む。
「永瀬も、僕の家まで来るつもりだったの?」
「うん。雪のせいで会えなくなったら嫌だなと思って。それに、今日優心に渡したいものがあったから。一応持ってきたけれど、俺の家で落ち着いてから渡すね」
永瀬の黒いショルダーバッグを見る。この中に、くれるものが入っているのか。何が入っているのかがすごく気になる。
「実は僕も渡すものがある」
「なんだろう、楽しみだな」
永瀬へのプレゼントは、コートのポケットに忍ばせてある。
何をくれるのだろう。
渡したらどんな反応をするだろう。
ソワソワしてくる。早く永瀬の家に着きたい。だけど思い通りに進めなくて、雪に埋まりながら歩くのがおっくうになってきた。
「もう、本当に歩きずらい!」
「大丈夫?」と、当たり前のように手を差し出してくる永瀬。僕は永瀬の手を握った。
手を繋ぐと、永瀬がリードしてくれているからか歩きやすくなる。気持ちに余裕ができると手を繋ぐきっかけとなった大雪に感謝の気持ちも湧いてきた。
単純だな、自分。
もっとこの時間が続いてもいいかな。
だけどあっという間に永瀬のマンションに着いた。
玄関前で長靴についた雪をほろう。
「大雪、ありがとう」
「えっ、何で雪に感謝?」
「だって、永瀬と手を繋げたから」
恥ずかしくて長靴に視線を向けたままで、永瀬の表情は確認できなかったけれど。気持ちを伝えるとすっきりした。
*
「永瀬、なんでここに来た!?」
「あっ、優心に会えた! 良かった! 雪すごいけど、大丈夫?」
同時に大声を出し、近づくとふたりは驚いた顔をしながら雪の中で立ち止まる。会えないかもと思っていた顔を見られた安心感、わざわざ大変な中ここまで来てくれたんだとありがたい気持ちが混ざり合う。
ずっと見つめ合った。それからふたりで声を出して笑う。
「優心、鼻赤いよ」
「永瀬も頬がすごく赤い」
「雪もすごいけど、気温も結構低いよね。今日無理しなくても、別の日に会えたのに」
「……今日、どうしても永瀬に会いたかった」
会えた嬉しさで気持ちが盛り上がり、普段言えない本音が素直にぽろりとこぼれる。
「俺も会いたかった。優心、寒くない? 大丈夫?」
「歩いてたから、体がポカポカしている。だけど止まったらまた寒さ感じてきたかも……」
「そこのコンビニ入ろうか。温かい飲み物でも買おう?」
近くのコンビニに駆け込み、店の中の暖かい空気で全身を温めた。ペットボトルのホットココアをふたつ買うと再び外に出る。ひとりの時と気持ちが全然違う。例え今から大雪がまた降り出しても、永瀬の家まで着くのが余裕だなとまで思えてくる。
永瀬がいれば、大変だった時間が大好きな時間へと変化する。
ひとりの時は不安が強かったのにな。
ホットココアを飲むと、蓋をしてコートのポケットへ。
「優心、こんな雪なのに来てくれようとするなんて、実はびっくりした」と永瀬が柔らかく微笑む。
「永瀬も、僕の家まで来るつもりだったの?」
「うん。雪のせいで会えなくなったら嫌だなと思って。それに、今日優心に渡したいものがあったから。一応持ってきたけれど、俺の家で落ち着いてから渡すね」
永瀬の黒いショルダーバッグを見る。この中に、くれるものが入っているのか。何が入っているのかがすごく気になる。
「実は僕も渡すものがある」
「なんだろう、楽しみだな」
永瀬へのプレゼントは、コートのポケットに忍ばせてある。
何をくれるのだろう。
渡したらどんな反応をするだろう。
ソワソワしてくる。早く永瀬の家に着きたい。だけど思い通りに進めなくて、雪に埋まりながら歩くのがおっくうになってきた。
「もう、本当に歩きずらい!」
「大丈夫?」と、当たり前のように手を差し出してくる永瀬。僕は永瀬の手を握った。
手を繋ぐと、永瀬がリードしてくれているからか歩きやすくなる。気持ちに余裕ができると手を繋ぐきっかけとなった大雪に感謝の気持ちも湧いてきた。
単純だな、自分。
もっとこの時間が続いてもいいかな。
だけどあっという間に永瀬のマンションに着いた。
玄関前で長靴についた雪をほろう。
「大雪、ありがとう」
「えっ、何で雪に感謝?」
「だって、永瀬と手を繋げたから」
恥ずかしくて長靴に視線を向けたままで、永瀬の表情は確認できなかったけれど。気持ちを伝えるとすっきりした。
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