愛おしい、君との週末配信✩.*˚【BL】
 スマホを覗くと沙菜から『どうだった? 風花、かけるんと会話できてた? すぐ剥がされた?』と来ていた。

 剥がすってなんだ?と思いながらもとりあえず『会話してたし、風花満足そうだった』と返事を書き、うさぎのお辞儀スタンプを押すとスマホを鞄にしまった。

 そういえば、沙菜から写真集代を預かった時に「お釣りは良いから帰りに風花とどこかでデザートでも食べておいで」と、多めにお金を渡された。しかもその時に写真集を僕にプレゼントするよとも言われた。断ったけども。

「風花、デザート何か食べて帰る?」
「うん、食べたい!」
「もうすぐ風花の誕生日だし、美味しいケーキ食べて帰ろうか?」
「うん!」

 僕たちは通りすがりに見つけたカフェの中に入っていった。 パステルイエローを基調とした店内。中はそんなに広い場所ではなく混みあっていた。席はひとつも空いていない。多分、ほとんどが写真集イベントに参加した人たちだろう。

「風花どうする? 空くの待つ?」
「ケーキは食べたいけど、並んでるよね……」
「じゃあ、買って家で食べようか」
「そうだね」

 レジまで行列ができていて、やっと順番が来た。風花はイチゴのショートケーキを、僕は生クリームの乗ったプリンを選んだ。両親にはそれぞれチョコとチーズのケーキを。一緒に行きたそうだったけど我慢した柚花には特別に、うさぎさんの顔のカップケーキを買っていこう。支払いを終え箱に詰めてもらうと混みあった人たちをくぐり抜けて外に出た。

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