罪深く、私を奪って。
怖くて怖くて、体はガタガタと大きく震えていた。
寒くて仕方ないのに、手のひらにはじっとりと汗が浮かぶ。
カチ、カチ、カチ、と時を刻む時計の秒針の音が、やけに大きく聞こえた。
冷蔵庫のモーター音。
外の木を揺らす風の音。
いつもと変わらない静かな夜。
だけど、ドア一枚隔てたそこに、確かに誰かがいる。
薄暗い部屋の中で、今すぐにでも逃げたしたい恐怖と戦い必死に息を殺していた。
汗ばんで冷たくなった両手を祈るように強く握りしめ、ぎゅっと目をつぶっていると。
コトン。
ドアの方で何かが郵便受けの中に落ちる音がした。
そして、足音。
ゆっくりと遠ざかっていく、誰かの足音。
それが階段を下り終え、どこかに去っていくまで。
私の身体は金縛りにあったように、まったく動かすことができなかった。
全神経を集中して耳を澄まし、人の気配が完全になくなったのを確認してから、はぁっと大きく息を吐き出した。
まるで深い海の底からようやく海面に顔を出したように、酸素を求めて何度も荒い呼吸を繰り返す。
ドクドクドク、と音をたてて勢いよく血管の中を流れる血液。
その音がうるさいくらいに頭の中に響いていた。
怖かった……。
どっと体に押し寄せる安堵と疲労。
無理やり深呼吸を繰り返し、玄関の方に向け一歩踏み出した。
その膝が、自分の体じゃないみたいにガタガタと震えていた。
寒くて仕方ないのに、手のひらにはじっとりと汗が浮かぶ。
カチ、カチ、カチ、と時を刻む時計の秒針の音が、やけに大きく聞こえた。
冷蔵庫のモーター音。
外の木を揺らす風の音。
いつもと変わらない静かな夜。
だけど、ドア一枚隔てたそこに、確かに誰かがいる。
薄暗い部屋の中で、今すぐにでも逃げたしたい恐怖と戦い必死に息を殺していた。
汗ばんで冷たくなった両手を祈るように強く握りしめ、ぎゅっと目をつぶっていると。
コトン。
ドアの方で何かが郵便受けの中に落ちる音がした。
そして、足音。
ゆっくりと遠ざかっていく、誰かの足音。
それが階段を下り終え、どこかに去っていくまで。
私の身体は金縛りにあったように、まったく動かすことができなかった。
全神経を集中して耳を澄まし、人の気配が完全になくなったのを確認してから、はぁっと大きく息を吐き出した。
まるで深い海の底からようやく海面に顔を出したように、酸素を求めて何度も荒い呼吸を繰り返す。
ドクドクドク、と音をたてて勢いよく血管の中を流れる血液。
その音がうるさいくらいに頭の中に響いていた。
怖かった……。
どっと体に押し寄せる安堵と疲労。
無理やり深呼吸を繰り返し、玄関の方に向け一歩踏み出した。
その膝が、自分の体じゃないみたいにガタガタと震えていた。