罪深く、私を奪って。
胸に子猫を抱いたまま家に帰ると、私の顔を見たお母さんに、ものすごい剣幕で怒られた。
今すぐ猫を離しなさいと、家の中からその猫を出しなさいと。
どうして?
こんなに小さな猫が、今にも消えてしまいそうなくらい悲しそうに鳴いているのに。
助けてあげちゃいけないの?
「今思えば当然の事なんですけどね。喘息の発作を起こしながら、その発作の原因を抱きしめ続けてるんだもん。離しなさいって言われますよね」
だけどその時の私には、その小さな猫の命なんてどうでもいいって言われてるように思えて、悲しくて悲しくて、止めるお母さんの声を無視して、猫を抱きしめたまま飛び出した。
季節は冬で、あっという間に陽は落ちて。
薄暗くなった公園で小さな猫を抱きしめたまま、泣いてたっけ。
「すぐに私を探しに来た両親に見つかって、猫は近所の動物病院につれていってもらったんだけど、私はものすごく怒られて……」
そう言いながら小さくあくびをすると、
「眠くなってきたか?」
背後から優しい声が降って来た。
そしてまるで猫をあやすように、私の髪をなでる長い指。
「少し寝ろよ」
膝の上ではいつの間にかシロが気持ちよさそうに寝息をたてていて、その姿を見ているうちに、いつの間にか私も眠りについていた。
今すぐ猫を離しなさいと、家の中からその猫を出しなさいと。
どうして?
こんなに小さな猫が、今にも消えてしまいそうなくらい悲しそうに鳴いているのに。
助けてあげちゃいけないの?
「今思えば当然の事なんですけどね。喘息の発作を起こしながら、その発作の原因を抱きしめ続けてるんだもん。離しなさいって言われますよね」
だけどその時の私には、その小さな猫の命なんてどうでもいいって言われてるように思えて、悲しくて悲しくて、止めるお母さんの声を無視して、猫を抱きしめたまま飛び出した。
季節は冬で、あっという間に陽は落ちて。
薄暗くなった公園で小さな猫を抱きしめたまま、泣いてたっけ。
「すぐに私を探しに来た両親に見つかって、猫は近所の動物病院につれていってもらったんだけど、私はものすごく怒られて……」
そう言いながら小さくあくびをすると、
「眠くなってきたか?」
背後から優しい声が降って来た。
そしてまるで猫をあやすように、私の髪をなでる長い指。
「少し寝ろよ」
膝の上ではいつの間にかシロが気持ちよさそうに寝息をたてていて、その姿を見ているうちに、いつの間にか私も眠りについていた。