罪深く、私を奪って。
お見合いって。
前に電話で言ってた話、本気だったの?
てっきり冗談だと思ってたのに。
「ごめん、お母さん私お見合いは……」
「あら、詩織もしかして彼氏できたの?」
明らかに乗り気じゃない私に、お母さんが目を輝かせてくいついてきた。
「そうじゃないけど」
「じゃあ大丈夫ね。別に本気のお見合いじゃないから気楽に考えていいわよ」
気楽にって。
そんな明るく言われても。
「そんな困った顔しないでよ。ただ4人で食事するだけよ。竹本くんのお母さんと盛り上がっちゃってね。たまにはちょっとおしゃれしてホテルでランチなんて楽しいじゃない」
別におしゃれしてランチに行く事には反対しないけど、娘の事をダシに使わなくてもいいじゃない。
「それに竹本くんも乗り気らしいわよ。詩織の事ちゃんと覚えてるって。
ほらこれ、最近の竹本くん。写真もらってきちゃった」
お母さんはいそいそと棚から1枚の写真を出してテーブルの上に置いた。
そこに映っていたのは、少し童顔な男の人の写真。
笑ったほっぺたに浮かぶ笑窪に、確かに見覚えがあった。
「どう? 思い出した?」
「うん……」
なんとなく思い出す。
確かに小学生の時、こんな笑い方をする男の子がいたはず。
だけど……。
なんとなく胸がもやもやとする感覚。
幼い頃の私はこの男の子の事が苦手だったような気がする。
前に電話で言ってた話、本気だったの?
てっきり冗談だと思ってたのに。
「ごめん、お母さん私お見合いは……」
「あら、詩織もしかして彼氏できたの?」
明らかに乗り気じゃない私に、お母さんが目を輝かせてくいついてきた。
「そうじゃないけど」
「じゃあ大丈夫ね。別に本気のお見合いじゃないから気楽に考えていいわよ」
気楽にって。
そんな明るく言われても。
「そんな困った顔しないでよ。ただ4人で食事するだけよ。竹本くんのお母さんと盛り上がっちゃってね。たまにはちょっとおしゃれしてホテルでランチなんて楽しいじゃない」
別におしゃれしてランチに行く事には反対しないけど、娘の事をダシに使わなくてもいいじゃない。
「それに竹本くんも乗り気らしいわよ。詩織の事ちゃんと覚えてるって。
ほらこれ、最近の竹本くん。写真もらってきちゃった」
お母さんはいそいそと棚から1枚の写真を出してテーブルの上に置いた。
そこに映っていたのは、少し童顔な男の人の写真。
笑ったほっぺたに浮かぶ笑窪に、確かに見覚えがあった。
「どう? 思い出した?」
「うん……」
なんとなく思い出す。
確かに小学生の時、こんな笑い方をする男の子がいたはず。
だけど……。
なんとなく胸がもやもやとする感覚。
幼い頃の私はこの男の子の事が苦手だったような気がする。