罪深く、私を奪って。
「………ッ! 違います!!」
亜紀さんの彼氏を口説くなんて、そんな事……!
私は心の動揺を誤魔化すように、強い口調で否定した。
すると自分でも驚くほど上擦った大きな声が車内に響いて、後部座席で寝ていた亜紀さんが、
「うーん……」
と小さくうめき声をあげた。
驚いて後部座席を振り返ると、亜紀さんは少し眉をひそめただけでまたすぐ深い眠りに落ち、さっきと同じように規則的な寝息をたてはじめた。
思わずホッと肩を下ろす。
そんな私の様子を見て、彼は、
「うろたえすぎ」
と面白がるように小さく肩を揺らした。
だって、石井さんがこんな耳元で話したりするから……!
誰のせいでこんなにうろたえてると思ってるんだ。
まだドキドキしている心臓のあたりを右手で押さえるようにして、隣に座る彼を睨んだ。
「……それとも、亜紀が起きたらマズイ事でも期待してんの?」
端正な、綺麗な顔に浮かぶ、冷たく意地悪な表情。
動揺する私を弄ぶような彼の言動に、カッと体温が上がった。
「そっ、そんなんじゃないです! とりあえず、今日のお金払います」
もう、やだ。早く車を降りたい。
この人と一緒にいると、自分のペースを乱されて、すごく居心地が悪い……!
そう思いながらお財布を開いて、適当にお札を数枚掴む。
すると、私のその手の上に男らしい大きな手が重なった。
「いいって言ってるだろ。しつこいなあんたも」
「だって!」
亜紀さんの彼氏を口説くなんて、そんな事……!
私は心の動揺を誤魔化すように、強い口調で否定した。
すると自分でも驚くほど上擦った大きな声が車内に響いて、後部座席で寝ていた亜紀さんが、
「うーん……」
と小さくうめき声をあげた。
驚いて後部座席を振り返ると、亜紀さんは少し眉をひそめただけでまたすぐ深い眠りに落ち、さっきと同じように規則的な寝息をたてはじめた。
思わずホッと肩を下ろす。
そんな私の様子を見て、彼は、
「うろたえすぎ」
と面白がるように小さく肩を揺らした。
だって、石井さんがこんな耳元で話したりするから……!
誰のせいでこんなにうろたえてると思ってるんだ。
まだドキドキしている心臓のあたりを右手で押さえるようにして、隣に座る彼を睨んだ。
「……それとも、亜紀が起きたらマズイ事でも期待してんの?」
端正な、綺麗な顔に浮かぶ、冷たく意地悪な表情。
動揺する私を弄ぶような彼の言動に、カッと体温が上がった。
「そっ、そんなんじゃないです! とりあえず、今日のお金払います」
もう、やだ。早く車を降りたい。
この人と一緒にいると、自分のペースを乱されて、すごく居心地が悪い……!
そう思いながらお財布を開いて、適当にお札を数枚掴む。
すると、私のその手の上に男らしい大きな手が重なった。
「いいって言ってるだろ。しつこいなあんたも」
「だって!」