罪深く、私を奪って。
こうやって曖昧な返事しか出来ない自分が悪いって、わかってはいるんだけど。
小さな頃から変わらない優柔不断さに、我ながらうんざりする。
亜紀さんみたいに、思ったことをはっきり言えたらどんなにいいだろう。
そんな事を思っていると
「詩織ちゃんはお前と違って優しいんだよ」
どこからか、からかうような声が聞こえた。
「おー、永瀬お疲れ! 私と違ってって、どういう意味よ?」
顔を上げると、亜紀さんと同じ営業の永瀬さんが入口からこっちへ歩いてくる所だった。
「みんながみんな、お前みたいにハッキリ物を言える性格じゃないって言ってんだよ。ねぇ、詩織ちゃん?」
長身の体をかがめて、私の顔を覗き込む永瀬さん。
男らしく精悍な顔立ちの彼に微笑まれて、私はなんて答えていいのかわからずに曖昧に首を傾げた。
「えー、私そんなにハッキリ言う? そんな風に言われたら、私がすごいキツイ女みたいじゃない」
永瀬さんの言葉に、亜紀さんは不満そうに肩をいからせてみせた。
「いやお前充分キツイだろ」
苦笑いしながら、永瀬さんは持っていた厚みのある書類袋で亜紀さんの肩を軽く叩く。
二人とも、かっこいいなぁ……。
ふざけながら言い合う二人を見ていると、思わずため息が出る。
一つ年上の先輩の亜紀さんと、永瀬さん。
営業一課でバリバリ働いて、生き生きしてて、仕事に自信とやりがいを持ってるのが見ているだけて伝わってくる。
小さな頃から変わらない優柔不断さに、我ながらうんざりする。
亜紀さんみたいに、思ったことをはっきり言えたらどんなにいいだろう。
そんな事を思っていると
「詩織ちゃんはお前と違って優しいんだよ」
どこからか、からかうような声が聞こえた。
「おー、永瀬お疲れ! 私と違ってって、どういう意味よ?」
顔を上げると、亜紀さんと同じ営業の永瀬さんが入口からこっちへ歩いてくる所だった。
「みんながみんな、お前みたいにハッキリ物を言える性格じゃないって言ってんだよ。ねぇ、詩織ちゃん?」
長身の体をかがめて、私の顔を覗き込む永瀬さん。
男らしく精悍な顔立ちの彼に微笑まれて、私はなんて答えていいのかわからずに曖昧に首を傾げた。
「えー、私そんなにハッキリ言う? そんな風に言われたら、私がすごいキツイ女みたいじゃない」
永瀬さんの言葉に、亜紀さんは不満そうに肩をいからせてみせた。
「いやお前充分キツイだろ」
苦笑いしながら、永瀬さんは持っていた厚みのある書類袋で亜紀さんの肩を軽く叩く。
二人とも、かっこいいなぁ……。
ふざけながら言い合う二人を見ていると、思わずため息が出る。
一つ年上の先輩の亜紀さんと、永瀬さん。
営業一課でバリバリ働いて、生き生きしてて、仕事に自信とやりがいを持ってるのが見ているだけて伝わってくる。