罪深く、私を奪って。
勝手に甦る、石井さんの唇の感触。
腰に回る力強い腕。
強引に差し込まれた彼の舌の温度。
ぐらり、とヒールを履いた足元が歪んだ気がした。
「野村さん、大丈夫ですか? もしよかったら僕、家まで送っていきますよ」
心配そうに私の顔を覗き込む沼田さんに、力なく首を横に振った。
「だ、大丈夫です。ごめんなさい、ちょっと一人になりたくて……」
「あ、そうだよね。ショックだよね。僕でよければいつでも相談に乗るから、何かあったら連絡して?」
そう言いながら沼田さんは私の手の中に小さなメモを握らせた。
丁度目の前で開いたエレベーターの中に逃げるように乗り込み、操作盤のボタンを押す。
閉じていくドアの隙間から、私の事を気の毒そうに見る沼田さんの姿が見えた。
ドアが完全に閉じ、狭いエレベーター内の中一人っきりになると、堪えていたものを吐き出すように思いきり息を吐き出した。
手のひらの中のメモがぐちゃぐちゃになるのも構わずにぎゅっと手を握りしめ、その場にしゃがみこむ。
『最近社内メールで野村さんを中傷するメールが流れてるよ。男好きだとか、彼女がいる相手にも平気で手を出すとか……』
沼田さんの言葉が何度も頭の中で繰り返される。
一体誰が……?
もしかして、誰かが私と石井さんの事を見てたの?
いつ? どこで?
送信元不明の中傷メール。
正体のわからない相手からの悪感情。
もう、すべてが怖くて。
腰に回る力強い腕。
強引に差し込まれた彼の舌の温度。
ぐらり、とヒールを履いた足元が歪んだ気がした。
「野村さん、大丈夫ですか? もしよかったら僕、家まで送っていきますよ」
心配そうに私の顔を覗き込む沼田さんに、力なく首を横に振った。
「だ、大丈夫です。ごめんなさい、ちょっと一人になりたくて……」
「あ、そうだよね。ショックだよね。僕でよければいつでも相談に乗るから、何かあったら連絡して?」
そう言いながら沼田さんは私の手の中に小さなメモを握らせた。
丁度目の前で開いたエレベーターの中に逃げるように乗り込み、操作盤のボタンを押す。
閉じていくドアの隙間から、私の事を気の毒そうに見る沼田さんの姿が見えた。
ドアが完全に閉じ、狭いエレベーター内の中一人っきりになると、堪えていたものを吐き出すように思いきり息を吐き出した。
手のひらの中のメモがぐちゃぐちゃになるのも構わずにぎゅっと手を握りしめ、その場にしゃがみこむ。
『最近社内メールで野村さんを中傷するメールが流れてるよ。男好きだとか、彼女がいる相手にも平気で手を出すとか……』
沼田さんの言葉が何度も頭の中で繰り返される。
一体誰が……?
もしかして、誰かが私と石井さんの事を見てたの?
いつ? どこで?
送信元不明の中傷メール。
正体のわからない相手からの悪感情。
もう、すべてが怖くて。