悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?
しかし、リリアは言葉を止めない。
僕はリリアが今まで何を思っていたのか、一方的に聞かされることになった。

信じがたいが、全ては僕の勘違いだと言う。
本当にジェリーナからの圧力などなく、リリアは僕に好かれて非常に困っていたと言っている。
それでも反抗しなかったのは、僕が王族だからだと。
リリアは逆らったら僕に厳罰を与えられると思っていたのだ。
更には、僕がリリアを都合良く使っているだけだと、不満をリリアで発散していたと言う…。
そして、最後には「見逃して」と、僕に懇願してきた。

な、なんということだ…。
僕は大きなショックを受けた。
僕は全身全霊を込めてリリアを大切にしてきたのに、何も伝わっていなかったのか…。
誰も僕を理解してくれないのか…。
僕は結局孤独だ…。
あまりにも辛すぎて、涙が溢れた。

ジェリーナが僕に何か言っているようだが、もうどうでもいい。
放心していると、リリアとジェリーナが言い合いを始めた。
もう勝手にしてくれ…。

そう思っていたが、リリアに好きな男がいると言う。
これは聞き捨てならない。
リリアは言いよどんだが、最終的には白状した。
相手は…ブライだった…。

「な、なんということだ…」

あまりの絶望に、僕は膝をついた。
今日は厄日だ。
人生でこんなにも傷ついた日があっただろうか…。

そんな僕にリリアが歩み寄ってきた。
もしかしたら、僕に優しくしてくれるのか…?
しかし、僕の期待はまたしても裏切られる。
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