不遇ヒロインに憧れるあまりに不遇ヒーローを助けたら、溺愛されました
懸想した者はいるかもしれないが、今だ婚約者はいない。エクサード家と繋がりを持とうと考える者が大勢いたが、秘密裏に消されていく。公にされていないだけで王族の誰かと婚約しているのではないかと噂されている。

その為エリザベスは少し浮いた存在だった。

「逃げても無駄ですわよ!しっかりとこの目に焼き付けましてよ!」

エリザベスは逃げ出した青年達の顔を瞬時に記憶に留めた。後で叔父に報告しなければ。

そう、エリザベスは記憶力がいい。そして黙っていることができない勝ち気な性格だった。

だからこそ、目の前に暴行を受けている青年が、まるで小説の主人公のように思われて、自分がなれないのならば、不遇ヒーローを見守ることで擬似体験できるかもしれないと思った。


そもそも、こういう場合に、ヒーローと言えるのかはわからないけれど。エリザベスの頭の中には、目の前の青年が不遇ヒーローだと設定されてしまった。

「大丈夫ですか?あの、レオ様とお呼びしても?」


地面にへたり込んでいる青年に手を差し伸べるエリザベス。

青年はふるふると肩を震わせている。
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