不遇ヒロインに憧れるあまりに不遇ヒーローを助けたら、溺愛されました
決してエリザベスが覗いた訳ではい。薄着の時に服の下から透けて見える引き締まった身体に釘付けになったのだ。

「いい加減にしてくれ!」
「放っておいてくれ!」
「エリザベス!」


決して友好的ではないけれど、年の近い男性とこんなにもあけすけに言い合ったのは初めての経験だった。

レオナルドの強気な物言いに、エリザベスは段々と快感を覚えていく。


怒った拍子に、エリザベスと呼び捨てにされる時があるのが堪らなく心地良かった。

気がつけば、レオナルドの姿を目で追うようになっていった。

彼の闇夜のような瞳の中に、自分の姿だけを映して欲しいと願い、その逞しい胸に縋りつきたいと思うようになっていた。


(それなのに、今日も嫌がられてしまったわ)


「もう……本当に……計画が台無しだ……エリザベス!」

もう我慢の限界だとばかりにレオナルドは、エリザベスの方へと向かってくる。


またいつものように、素通りしていくはず。

もう少し彼の瞳の中に留めて欲しかった。

言いようのない寂しさが襲ってくる。


(あぁ、私、レオナルド様のことが好きなんだわ)
< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop