地球最後の日

はぁっ、はぁっ、はぁっ…


息が上がって苦しい。

頭がクラクラしてきた。

もう足もパンパンだし、今にも止まってしまいそう。


それでも、今は絶対に止めてはいけない。



見慣れた通学路を全力疾走して戻った学校。


職員室に急いで飛び込んで先生に詰め寄った。



「理沙、どこ!!?」



先生に向かってしてはいけない態度だったかもしれないけど、この際、なりふり構っていられない。


先生はいきなりすごい勢いで視界に入ってきた私に驚いたあと、あきれた顔で「お前たち、ほんと仲いいな」と言った。

意味はすぐに理解できた。

お前たち、のたちが示すひとの正体。



「佐々木ならさっきまで忘れ物を探してたがもう帰ったんじゃないのか?」


また、入れ違いっ……!


私は急いで方向転換。

「先生!ありがとー!」



「あ、そうだ中川!」



後ろから呼び止められる声。

急いでるから手短にお願いしたいっ。


体は扉を向いてるけど顔だけは先生の方に向ける。



「これからうん万年に一度とかいう彗星が見れるらしいから勉強がてら少しは見とけよー」


そう言ってスマホで中継されているニュースを私に見せた。
でも突然、ニュースキャスターが焦りだして資料を読みあさる姿が映し出される。



うそ、タイムリミットが近づいてるっ…!



「先生、私もう行く!さよーならっ」

< 29 / 39 >

この作品をシェア

pagetop