エリート外科医の蕩ける治療
清島さんの端正な顔が近づく。なんて色っぽくて綺麗なんだろうと見惚れてしまった、瞬間。

「んっ」

頬を包まれたまま、唇に柔らかな感触。
キスは初めてじゃないのに、初めてみたいな感覚。

「……恥ずかしい」

「……やめるなら今だけど」

清島さんが困ったように眉を下げる。ちゃんと意思を確認してくれる優しさに、感謝の気持ちが込み上げた。

「先生が嫌じゃなかったら、このままお願いします」

私は清島さんを見つめる。きっと今、顔は真っ赤になっているに違いない。恥ずかしさと緊張と不安と、そして期待。

頭と背中に手が添えられ、ゆっくりとベッドへ押し倒された。ベッドがギシッと揺れるたび、私の心臓もドックンと跳ねる。私を見下ろす清島さんは、淡い間接照明に照らされて、とんでもなく色っぽく映った。

「杏子って、美味しそうな名前」

私を組み敷く目の前の彼は、熱い眼差しで私を見つめながら舌なめずりをする。獰猛な野獣に食べられそうな感覚が少し怖い。それなのに、何かを期待している私もいる。

「美味しいって思ってくれたら願ったり叶ったりなんです。でもたぶん美味しくないかと……」

緊張を隠すために素っ気ない返事をしたのに、意に反して心臓は壊れそうなほどにバクバクと音を立てている。そんな私とは対照的に、清島さんはニヤリと意地悪く余裕の笑みを見せた。

「試してみたらいいよな。杏子が本当に不感症なのかどうか」

「そうですね。試してみてください。全然濡れなくてガッカリさせちゃうかもしれないですけど」

強がって言ってみたものの、なおのこと心臓がバックンバックンと壊れそうな音を立てている。収まる気配など微塵も感じられない。

これからどうなるのか、怖い。
私が本当に不感症なのかどうか、彼が試してくれるのだから。
< 14 / 113 >

この作品をシェア

pagetop