エリート外科医の蕩ける治療
俺だってずっとこのままでいいなんて思っていない。いつかはきちんと向き合わなければと思っていた。

だから杏子とセックスをして、杏子がイケなかったら杏子の不感症のせいにできるし、俺が勃たなくてもそれも杏子の不感症のせいにできる。

お互いに試してみたいという意見は一致しているのだ。最低な考え方だが、これを利用しない手はないだろう。

『君が本当に不感症かどうか、試させてくれないか?』

『え……。試す……試すってその、セッ……ああ、えっと、体の関係を持つというあれですよね? むしろ試してくれるんですか?』

『……君さえよければ』

『……お医者さんとして、ですよね?』

『ああ、医者として症状を把握したい』

自分のことは棚に上げ、あげく医者という立場を利用した。だってこんな提案、ただの変態か異常者だろう。一歩間違えば警察沙汰だ。

気持ちを盛り上げるため、杏子と手を繋いだ。小さくて柔らかい手。女性の手ってこんなにも柔らかいものだったっけ?

『なんか、ドキドキしますね』

そう恥じらいながら微笑んだ杏子は、とてもあどけなくて、図らずもドキッと心臓が揺れた。この鼓動は杏子の可愛さに対してだったのか、それとも杏子を騙している罪の意識からくるものだったのか……。

そして杏子は、想像力豊かな天然っぷりを発揮する。ラブホの設備にはしゃいだり、唐突に服を脱げばいいのかとか言い出すし。

そこからの杏子は可愛さが爆発していた。その反応で濡れないとかあるわけないだろと思った。案の定びしょびしょで感度は抜群。俺の手だけで何度もイッて、その姿に感動してしまった。

そのおかげか、俺のアソコも思い悩んでいたのが嘘かのように反応してしまい、途中で萎えることもなく最後までできてしまったのだ。

おいおい、EDってなんだよ……。
杏子は天使か女神か、神様か……。
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