エリート外科医の蕩ける治療
「ベッド行こうか。このままだと杏子が溺れそう」

そう、キスで溺れそう……とか思ってたけど、それ以前にお風呂で溺れそうになっている。肩まで浸かって体もぽかぽか。

「……のぼせた」

「大丈夫か?」

清島さんは私を抱えて立ち上がらせると、丁寧にバスタオルを巻いてくれた。そしてそのままお姫様抱っこでベッドまで運ばれる。

「重くない?」

「重くないよ、杏子くらい。意識のない患者より重いものはないな」

「比較対象がそれ? お医者さんみたい」

「何度も言う様だけど、医者なので」

「そっか。私、患者だ」

そんな無駄話をしていると、ふいに唇が塞がれる。チュッというリップ音が艶めかしい。

「ずいぶん余裕だな」

「余裕じゃないですよ。どうしたら濡れるか必死に考えてる」

「俺の予想では杏子はもう濡れてると思うけど」

「えっ? それはお風呂のお湯じゃなくて?」

「うん、触ってもいい?」

「お、お願いします」

バスタオルはそのままに、清島さんの手が太腿をつーっと伝う。少し開かされた足の間に指が滑り込んでくる。触られた瞬間、くちゅりと淫らな音がした。

「あっ」

「ほら」

ぬるぬるとした感覚。ちゃんと濡れていることがわかる。お風呂で清島さんに抱きしめられてただけなのに、こんなに濡れちゃうだなんて。

「先生、やっぱり私、治ったんですよね?」

「そうだな」

「嬉しい」

「濡れただけじゃダメだろ。気持ちよくならないと」

「えっ、あっ、ひゃんっ」

清島さんの手が上下を擦るように動き始める。じんとした感覚に身をよじらせると、巻いていたバスタオルが少しずつ解けて肌があらわになっていく。

「せ、先生ぇ」

手を伸ばすと清島さんがキスをくれる。その首元にしがみつくと、清島さんの肌が密着した。肌と肌が触れ合う感触が、気持ちがいい。体がビクビクと震えるのに、なぜだかもっと欲しいと欲張りになる。

欲望のまま求めた体はとんでもなく気持ちが良くて、満たされた気分が最高潮に達してそのまま果てた。
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