エリート外科医の蕩ける治療
「何で泣きそうになってんだよ。まるで俺が泣かせてるみたいだろ。杏子ちゃん、素直になれって」
「うん。私、清島先生のこと……好き……かも」
「よし、よく言えた。偉いぞ」
佐々木先生が優しく頭をポンポンと撫でてくれる。やっぱり子どもをあやすみたい。でもそれが今の私には合っている。だって好きだって気持ちを拗らせていたんだもの。
本当はもっと前にわかっていたのかもしれない。だけど私と清島さんの関係が患者と医者だったから、それ以上の感情を持ったらいけないって、心のどこかでブレーキをかけていた。勘違いしちゃいけないって、思っていたんだ。
でも好きだって自覚した今、すごく胸が軽くなった。喉に刺さっていた魚の骨がポロッと取れたみたい。
「スッキリしてるとこ悪いけど、俺失恋しましたけど?」
「あっ! ごめんなさい!」
「こらこら、追い打ちかけるなよ。うん、まあわかってたからいいんだけど。杏子ちゃんが笑っててくれたらそれでいいや。俺ってめっちゃいいやつー」
「あはは、自分で言ってる」
「自分で慰めるしかないだろ」
佐々木先生は冗談めかしながら眉を下げる。そういう優しさが佐々木先生の良いところなんだろうな。だから患者さんから愛されているんだろうなぁ。
「佐々木先生、ありがとう。すっごく元気出た」
「一真になんか伝えとく?」
「ううん。お昼買いに来てくれたとき、夜飯行こうって言ってたから、そのときちゃんと話す」
「約束してんのかよ。もー、どれだけ俺に追い打ちかけるつもりですか、あなたは」
「佐々木先生のことも好きですよ。お兄さんみたいで頼りになる」
「あははっ、これからお兄様と呼ぶことを許そう」
「はい、お兄様!」
「冗談だよ」
「私も冗談ですよ」
あははと笑い合う。
すっきりした気持ちと温かな気持ち。二つが混ざり合って目の前が晴れ晴れとした。くよくよしていた自分が嘘みたいだ。自分の気持ちをはっきりさせることって、大切なんだなと実感した。
例え清島さんが桜子さんを選んでも、私は後悔しないようにしたい。だから今日、清島さんに伝えよう。私の本当の気持ちを。
「うん。私、清島先生のこと……好き……かも」
「よし、よく言えた。偉いぞ」
佐々木先生が優しく頭をポンポンと撫でてくれる。やっぱり子どもをあやすみたい。でもそれが今の私には合っている。だって好きだって気持ちを拗らせていたんだもの。
本当はもっと前にわかっていたのかもしれない。だけど私と清島さんの関係が患者と医者だったから、それ以上の感情を持ったらいけないって、心のどこかでブレーキをかけていた。勘違いしちゃいけないって、思っていたんだ。
でも好きだって自覚した今、すごく胸が軽くなった。喉に刺さっていた魚の骨がポロッと取れたみたい。
「スッキリしてるとこ悪いけど、俺失恋しましたけど?」
「あっ! ごめんなさい!」
「こらこら、追い打ちかけるなよ。うん、まあわかってたからいいんだけど。杏子ちゃんが笑っててくれたらそれでいいや。俺ってめっちゃいいやつー」
「あはは、自分で言ってる」
「自分で慰めるしかないだろ」
佐々木先生は冗談めかしながら眉を下げる。そういう優しさが佐々木先生の良いところなんだろうな。だから患者さんから愛されているんだろうなぁ。
「佐々木先生、ありがとう。すっごく元気出た」
「一真になんか伝えとく?」
「ううん。お昼買いに来てくれたとき、夜飯行こうって言ってたから、そのときちゃんと話す」
「約束してんのかよ。もー、どれだけ俺に追い打ちかけるつもりですか、あなたは」
「佐々木先生のことも好きですよ。お兄さんみたいで頼りになる」
「あははっ、これからお兄様と呼ぶことを許そう」
「はい、お兄様!」
「冗談だよ」
「私も冗談ですよ」
あははと笑い合う。
すっきりした気持ちと温かな気持ち。二つが混ざり合って目の前が晴れ晴れとした。くよくよしていた自分が嘘みたいだ。自分の気持ちをはっきりさせることって、大切なんだなと実感した。
例え清島さんが桜子さんを選んでも、私は後悔しないようにしたい。だから今日、清島さんに伝えよう。私の本当の気持ちを。