エリート外科医の蕩ける治療
「じゃあ今日は杏子が動いてみたら?」

「え、どうやってですか?」

「俺の上に乗る」

「一真さんの上に……?」

「ほら、ここおいで」

杏子を俺の膝に誘導する。素直に従った杏子は俺の膝に跨った瞬間「あっ」と頬を赤らめた。

「そういうこと? やだ、恥ずかしい」

「下から眺める杏子もいいな」

「もう、一真さんのエッチ!」

「杏子が可愛いから仕方なくないか? そりゃエッチにもなるだろう?」

「あーん、もう、そんな恥ずかしい。ひゃっ。ちょ、待って……」

杏子を下から突いてみると、いつもと違う反応で身を捩らせる。崩れ落ちそうな杏子を抱きしめると、ぎゅうっとしがみついてきた。

「ほら、杏子が気持ちいいように動いて」

「……高速で?」

「それはどっちでもいい」

この期に及んで高速とか、杏子は本当に面白い。
杏子の腰がぎこちなくゆらゆらと動く。一生懸命な杏子の姿を見るのも可愛くて仕方がない。

吐息がだんだんと甘くなる。二人の息が荒くなっていく。杏子の魅惑的な声が鼓膜を揺るがす。

「あっ、一真さんっ、ダメっ」

「何がダメ?」

「一真さんは動いちゃダメ。私が動くからあっ」

「わかったよ。杏子の好きにしていいよ」

ふにゃふにゃと杏子は腰を動かす。俺は杏子に身を任せたまま、このとんでもなく幸せな時間にしばし浸っていた。ゆるりとした気持ちよさが心地良い。

「……一真さん」

「うん?」

「上手にできない」

なぜか泣きそうな声を出す杏子を、ぎゅうっと抱きしめ頭を撫でる。一生懸命なところもまた、可愛いんだよな。

「俺はすごく気持ちいいけど、杏子が気持ちよくなれなかったんだな」

「……うん」

「じゃあ交代。今度は俺が杏子を気持ちよくさせる番だ」

「あっ、ひゃあんっ。一真さん、それ、ダメっ、イッちゃ――」

突き上げるたびに杏子が耳元で声を上げる。甘い綿菓子のような可愛い声が、俺をどこまでも興奮させ、そしてあっという間に二人で果てた。

しっとりと汗をかいて、いい運動になったのは言うまでもない。少しは消化できただろうか。
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