エリート外科医の蕩ける治療
あー、マリエ先生めちゃくちゃスタイル良かったなぁ。ボンキュッボンって、いや違うな、ボンキュッキュッだったな。何を食べたらあんなスタイルになるんだろう。

「何してるんだ、杏子?」

「私はわがままボディですからね」

「何の話?」

「はっ、一真さん!」

「また別世界に行ってた?」

くくっと笑う一真さんはいつもと何ら変わらなくて、ざわざわとしているのは私の心だけ。そのせいで、一真さんがお弁当を買いに来てくれたのにあまり嬉しくない。せっかく久しぶりに会えたのに……。

「どうかした?」

「……外科に女医さんが来たって、何で教えてくれないんですか?」

「あー、まあ、臨時採用だしな」

「一真さんの元カノなんですよね?」

「誰から聞いた?」

「マリエ先生です」

「あいつ……」

一真さんは苦々しい顔をする。やっぱりそうなんだ。臨時とはいえ、外科で働くマリエ先生は一真さんの元カノで、そのことを一真さんは教えてくれなかった。先に一真さんから聞かされていたら、こんなにもモヤモヤすることなかったのに。

「どうして教えてくれなかったんですか?」

「教える必要ないだろ? 興味もないし。それにわざわざ元カノですって杏子に教えたら、杏子が嫌な気持ちになるだろ?」

「そうかもだけど……だって心配だったから」

「何を心配することがあるんだ? 俺の彼女は杏子なんだから、むしろ胸を張っていてもらいたいよ」

「胸を張る……」

マリエ先生のボンキュッキュッボディを思い出し、ずうんと気持ちが重くなった。

「一真さんはボンキュッキュッが好き? ボンキュッボンが好き?」

「何それ?」

「体型の話」

「杏子が一番の好みですが?」

「わがままボディでいいんですか?」

「良いに決まってるだろ? どうしてそういう話になるんだ?」

「だって私がもっとボンキュッボンだったら、一真さんも嬉しいかなって思っただけ」

だってあんな綺麗なマリエ先生を見てしまったら、誰だってそう思うんじゃない? 一真さんの好みってそういう人なのかなって。私なんかでいいのかなって。
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