心とりかえっこ
最悪の第一印象
「泣いてる?」
純粋無垢そうな顔をして、アイツが言った。
「たかがペットのインコが死んだだけで泣いたの?」
私の涙を見てせせら笑うように、私から溢れるものを指さしながら口角を上げる。
それがアイツと私の、初めての接点だった。
❀
ある日、学校からの帰り道。
お母さんからメールが来る。
目を通して、愕然とした。
どうやら私が生まれた時から飼っていたインコの〝ぴ助〟が死んだらしい。
「なんで……」
朝は元気だったのに。
分かれて、まだ8時間くらいしか経っていないのに。
生まれた時から一緒にいたのに、離れ離れになった8時間の間に去ってしまった。こんなことなら今日学校へなんか行かなかったのに。
「うぅ……」
通学路には誰もいない。
いや、誰もいない道をわざわざ選んだのだ。
泣いていることが誰にもバレませんようにと祈りながら。バレたら「あの沙織が泣いているー」とからかわれるから。