北原くんは、会長の旦那様(月の蜜)
 今日は、高校の卒業式。
 俺の指には、結婚指輪が光っていた。
 保護者席には、妻のゆえが居た。
 式が終わり、教室に保護者と行くと、妻が話しかけてきた。
 「悠斗、写真撮らせて。」
「いいよ。」
 俺は、俺だけの写真と夫婦の写真を、いっぱい撮った。
 教室に入ると、席に座らされた。
 妻は、最後だからってことで、席に着いてる俺を撮っていた。
 「北原くんの奥さん。
そろそろ、始めて良いですか?」
「す…すみません…。
進めてください。」
 ゆえは、保護者のとこに入って話しを聞いていた。
 話しが終わると、俺はすぐに妻の元に行った。
 「ゆえ。」
「なぁに?」
「ゆうじのお母さん。」
「初めまして。
うちのゆうじがお世話なりました。」
「いえいえ。
うちの主人がお世話になりました。」
「主人…?」
「ゆえさんは、北原の奥さん。
北原、学生結婚したんだよ。」
「そうなの?!」
「婚約発表した時に、東京まで行ったじゃん。
その2人だよ。」
「あぁっっ!!
おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「北原、違うとこに行くんだろ?」
「家のこと?」
「うん。」
「まぁ、俺の大学の関係もあるし、妻は妻で合わせれる仕事だから、どこでもいいって言ってるし。」
「なるほどな…。」
「うん。」
「ゆえさん、綺麗だよなぁ…。」
「うちの嫁はやらんっっ!!」
「分かってるって。
ゆえさん、色んな親に話しかけられて困ってね?」
「助けてくる。」
 何故か親達に捕まってる、ゆえを助けに行った。
 「俺の可愛い奥さん。
何に困ってるの?」
「あ、悠斗。」
「ねぇ、北原くん。
結婚してるってホント?」
「はい。
してますよ。」
「本当にしてるの?」
「はい。
ゆえ、指輪見せて。」
「うん。」
 俺とゆえは、互いの指輪を見せた。
 「ヤダ!!
ハリー・ウィンストンじゃない!!」
「そうですけど…。」
「若いのに、そんなの買って…。」
「妻が一生物だからと、希望した物なので。」
「主人が、私の希望を叶えてくださって…。」
「高校生と結婚って…。
ねぇ…。」
「俺が18になって結婚したんですけど?
法律は守ってますよ?
何が問題ですか?
妻からではなく、俺から結婚を申し込んだんですけど?
何が、そんなにダメなんですか?」
「そ…そう言われたら…。
ねぇ…。」
「天使夫妻、前に来てください。」
 先生に言われ、俺たちは前に出た。
 「皆様、天使夫妻は、昨年の12月19日に婚姻届を出し、正式に夫婦となりました。
北原くんの懇談には常に、奥さんが来て、懇談してました。
聞いた話では、北原くんは3歳の時から奥さんのことが好きだったそうで、奥さん悪口を聞くと暴れるとも聞いております。
どうか、お2人の純愛を、見守っていただきたいと思っておます。」
「3歳からですって。」
「でも、彼女何歳?
不純なんじゃ…。」
「彼女が何歳だろうと、3歳から思い続けたってのが良いじゃない。
素敵だわ。」
「北原くん、式は、どうするの?」
「今年の6月に挙げます。
もう、準備は進めてます。」
「そう。
この中からも、何人か、北原くんの結婚式に行く人も、居るのよね?」
「先生。
親に止められて、行けれません。」
「俺も。」
「オレも。」
「親御さんにお聞きします。
お子さんが行きたいと言ったのに、それを反対したんですか?」
「それはそうでしょう。
東京までの旅費、宿泊費まで出すなんて、怪しいでしょ?」
「奥さん、話して良いですか?」
「えぇ。
夫の純情をここまで貶されたら黙ってはいられません。」
「奥様の名前は、天使月様です。
お聞きになったことは、ございませんか?」
「天使…?」
 母親達は、ポカンとしていたが、父親達は、顔がどんどん真っ青に…。
 「ま…まさか…。
天使会長っ!!
社報で見たことある…。
彼も…。
天使会長。
申し訳ございません。
解雇だけは…。」
「会長、取り引きは、打ち切らないでください。
今、会長に見捨てられたら、倒産してしまいます。」
 父親達は、ゆえの正体を知って、謝りまくった。
 「奥さん方次第ですね。
今、あなた達には、私がどう映ってるかは知りませんが、私は、かなり怒ってます。
夫を馬鹿にされたこと。
これを巻き起こしたのが、天使グループの関係にいて、平然としていること…。
これについて、とても遺憾です。
竹内くん、小原くん、水原くんは、明日、東京支社の月のビル5号の会長室に来ること。
川島社長、水川社長、田村社長、田原社長は、東京支社の月のビル3号に、明後日来なさい。
取引の話をしましょう。」
 それを聞いた、父親達は愕然とし、奥さん達は、喚いていた。
 父親達は、その奥さんの口を塞ぎ、子どもを呼んで、ささっと帰ってしまった。
 「(ゆえ、怖っっ!!)
(がんがん、権力使うじゃん…。)
(クラスのほぼ全員が、ゆえの会社と関係ある…。)
(ゆえ、どんだけすごいんだ?)」
 家に帰ってきた、俺とゆえは、東京に行く準備を始めた。
 「悠斗、服、小さいでしょ?」
「うん…。」
「じゃあ、買いに行こうよ?」
「今のは?」
「今のは、孤児院行き。」
「なるほど…。」
「だから、今着替える分だけ着て。
買い換えるから。」
「分かった。」
 着替えてから、天満屋に行った。
 「GUCCIからでいい?」
「うん。」
 GUCCIに入ると、全員が、ゆえに頭を下げた。
 「いらっしゃいませ。
天使様。」
 そう言って近付いてきたのは、新人の男性。
 「(新人着けるの?)
(だるっっ!!)」
「今日は、主人の服を買いに来たの。」
「ご主人ですか?」
「ええ。」
「ご結婚…。」
「はい。
しました♡
主人です。」
「こんにちは。」
 その言葉を聞き、チーフが来た。
 「天使様、こんにちは。
よろしければ、わたくしが店内商品の紹介などさせていただいていいですか?」
「はい。
妻の気に入りそうなのを、選んでください。」
「お任せください。
こちらへどうぞ。」
 ゆえの買い物がスタートした。
 ゆえの買い物は、毎度のことながら、買いまくる。
 商品棚が可哀想になっていく…。
 今回は、俺の服選び。
 ゆえからしたら、買い放題の日。
 ゆえは、俺のサイズを知ってるから、何でも買う気満々。
 「ここから、ここまでのシャツ、全部ちょうだい。
ここから、ここまでのパンツ、全部ちょうだい。
ベルトも男の人用のを、全部ちょうだい。」
「かしこまりました。」
「悠斗、熊田呼んで。」
「分かった。」
 俺は、熊田を呼んだ。
 「ご主人様、お呼びでしょうか?」
「妻が、あれだけ買ったので、俺のクローゼットに片付けてくれ。」
「今入っている物は?」
「寄付してくれ。」
「かしこまりました。」
 そこに、支払いを終えた、ゆえが来た。
 「悠斗,次行こうよ。」
「天使様、ありがとうございました。」
「いえいえ。
また来るわ。
熊田。
悠斗から聞いた?」
「はい。」
「ならいいわ。
次は、LOUIS・VUITTONに行くわ。」
「かしこまりました。」
「 ゆえ、行くなら早く行こう。」
「はぁいっ!!」
 俺とゆえは、今度、LOUIS・VUITTONに入った。
 ここでも、ゆえは無双。
 「ここから、ここまでのシャツ、全部ちょうだい。
それから、ここから、ここまでのパンツ、全部ちょうだい。
ベルトも男性用の全部ちょうだい。
後、新作のバッグ、財布、キーケース全部ちょうだい。
後、このシリーズ全部。
このシリーズは2つずつちょうだい。
今日は、以上で。」
「かしこまりました。」
 店員が、準備していると、そこに、熊田が来た。
 「ご主人様、奥様。
ここでのお買い物は、終われましたか?」
「えぇ。
次は、Cartierに行くわ。」
「かしこまりました。」
 Cartier。
 「ラブブレスレット下さい。」
「こちらですね。」
「はい。」
「かしこまりました。」
「ここは、これだけ?」
「うん。
これが欲しかったの。」
「そうか。」
「ねぇ、次、HERMES行きたいって言ったら怒る?」
「俺がそれで怒ったことある?」
「高いって言う…。」
「それ、怒ったになるの?」
「ううん。」
「でしょ?」
「うんっ!」
 HERMES。
 「悠斗、これ良くない?」
「使いやすそうじゃん。
いいんじゃない?」
「すいません。
ここから、ここまでのバッグ、全部下さい。」
「あ、はい。」
「後、このショーケースの中にある、スカーフ全部ちょうだい。」
「あ、はい。」
「後、これとこれ。」
「は…はいっ!」
 俺たちの買い方を見て、上の人が変わろうとしたけど、ゆえが嫌がり、新人に任せることになった。
 「以上よ。」
「あの、よろしければ、お飲み物をお出ししましょうか?」
「主人と2人分お願いします。」
「はい。」
 2人でジュース飲んでいたら、熊田が来た。
 「ご主人様、奥様。
こちらでは、何をお求めで?」
「もう買ったわ。
あの台に乗ってるのが、私たちの物よ。」
「かしこまりました。
お持ち帰りさせていただきます。
最上階でよろしいですか?」
「うん。
お願いするわ。」
「かしこまりました。」
 ゆえが満足するくらい買い物をして、家に帰ると、まだ、俺の服の入れ替えに、てんてこ舞いしていた。
 「悠斗、東京行く準備まだ、出来そうにないから、ご飯食べない?」
「いいね。
行こうか。
何食べたい?」
「お寿司!」
「寿司か。
どこのにする?」
「うーん…。
今の時間、難しいなぁ…。」
「でしょ?」
「杜の街にする?」
「それ良いかも!
そうしよ。」
「じゃあ、杜の街まで行こうっ!」
 杜の街。
 「どれも美味しそう…。」
「俺、ラーメン!とたこ焼き!」
「ゆえは、たこ焼き!」
「じゃあ決まり!」
 それぞれ、食べたい物を買って、交換しながら食べた。
 満足して帰ると、服も片付けられていた。
 「悠斗、準備して。
今日中に出たいから。」
「分かった。」
 俺は準備に取り掛かった。
 ゆえは、既に済んでるスーツケースに、少量の荷物を入れて、完成させていた。
 俺も、1番大きいスーツケースに、荷物をまとめた。
 「悠斗、夕食なんだけど…。
どうしても行きたいとこがあるの。」
「どこ?」
「倉敷にある、ボンヌフ。」
「何それ?」
「フランス料理のフルコースが食べれるとこ。」
「フランス料理のフルコースぅ!
ドレスコードいるじゃん。」
「だめ?」
「いいよ。
スーツ出さなきゃ…。」
「悠斗、ありがとう。」
 2人着替えて、ボンヌフに向かった。
 「予約とかしてるの?」
「うん。19時に。
余裕か…。」
 ボンヌフ。
 「いらっしゃいませ。
ご予約されてなすか?」
「はい。
天使です。」
「かしこまりました。
こちらです。」
 店員について行くと、すごく良い席だった。
 「では、こちらの席、お使いください。
メニュー表です。」
「悠斗、ガッツリ食べたいよね?
お肉料理増やしていいよ。」
「ホント?
あ、でもいいや。
1番多いコースにする。」
「分かったわ。
ゆえは、フォアグラ食べたいから、これコースにしよ。」
 俺がウェイターを呼んだ。
 「ご注文はお決まりですか?」
「はい。
夫のコースがこれで、私のがこれです。」
「かしこまりました。」
 ウェイターは、メニュー表を持って下がった。
 「(なんか,態度が気になるのよね…。)
(小馬鹿にされてる…?)
(次も態度悪かったら、オーナー呼んでもらって、対処してもらお。)」
 そこに、前菜がきた。
 「(これが、前菜3種盛り?)
(子どもだと思ってるでしょ?)
(反撃してやる。)」
 その頃、受付では…。
 「天使様、来られてないか?」
「いらっしゃってます。
オーナーの言う通り、1番良いお席にお通ししました。」
「誰が、担当してくれている?」
「上野くんです。」
「上野くん?!
それはいかん!!
すぐに行ってくる。」
 俺たちの席では、ふざけてるとしか思えない、態度を取られていた。
 周りのお客さんも、可哀想。とか、酷くない・とか話していた。
 そこに、オーナーが来た。
 「天使様。
大変失礼なことをいたしました。
このウェイターは解雇し、社内の情報交換を、徹底させます。
なので,お取り引きを打ち切らないでください。」
「では、料理の作り直しから。
担当は、オーナーがして。」
「勿論でございます。
お料理も,シェフに担当していただいます。」
「ありがとう。
そうして。」
「かしこまりました。
お料理を一度下げさせていただきます。
失礼いたします。
上野くん、ぼーっとしてないで、謝罪しなさい。」
「大変、申し訳ありませんでした。」
 そう言って、オーナーと上田は下がった。
 作り直された、料理は、とても綺麗な盛り付けで、初めにきた、前菜3種盛りとは全然違った。
 「ゆえ、美味しいね。
ごめんね。
俺がしっかりしてないから、子どもに見られて…。」
「悠斗を見て、子ども扱いしたんじゃなくて、ゆえを見たからよ。」
「そうかな…。」
「そうよ。
あ、ここから帰ったら、東京に向かうから。」
「分かった。
どれで行くの?」
「リムジンよ。」
「分かった。」
 俺とゆえは、満足して、店を出ようとしたら、オーナーが来た。
 「天使様。
いかがでしたでしょう?」
「このまま、取り引きいたしましょう。」
「ありがとうございます!」
「今後、よろしく。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
 オーナーに見送られ、俺たちは、帰った。
 帰ってから、荷物を持って、リムジンに乗った。
 「では、東京に向かいます。」
 熊田がそう言うと、車が発進した。
 東京まで行くのに時間がかかるので、俺とゆえは眠った。
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