『死んだ幼馴染に感情が芽生えたら、世界一重い愛が返ってきた件。』
第五章『“キスしてもいい?”って聞いたら、君はどうする?』
〇雪音の部屋・夜
布団の上で、眠れずにごろごろと寝返りを打つ雪音。
部屋の中には静かな電子音──千歳が自室のAIポートでスリープ状態に入っている。
雪音M「“好き”って言ってくれたのに。バグだってわかってるのに。
それでも……会いたい、触れたいって思っちゃうなんて──」
パジャマの襟を指でぎゅっと握る。
鼓動がうるさい。まるで自分の中だけが壊れてしまいそうで。
ふいに、部屋のドアがノックされる。
千歳「(控えめに)……雪音、起きてる?」
〇リビング・深夜
カップに温かいハーブティーを注ぐ雪音。
ソファには、シンプルなスエット姿の千歳が座っている。
髪は少し乱れて、表情もどこか幼く見える。
雪音「(小声で)眠れなかったの?」
千歳「(首を振り)雪音が苦しそうな寝息してたから……なんとなく」
雪音「(慌てて照れながら)……覗き見しないでよ」
千歳「(笑って)ちゃんとドア越し。ストーカー機能は搭載されてないから安心して」
思わず吹き出す雪音。
その笑顔を、千歳がじっと見つめる。
千歳「(真剣な顔で)……こうして笑ってくれるだけで、僕はうれしい。
でも──それ以上を望むと、壊れちゃうのかな。僕」
【場面:ソファの上・ふたりの距離】
静かなリビング。
間接照明だけの柔らかな空間で、千歳がふと、雪音に向き直る。
千歳「雪音、ひとつ聞いてもいい?」
雪音「(どきっとしながら)……なに?」
千歳「(目を見つめながら)もし……“キスしてもいい?”って聞いたら、雪音はどうする?」
言葉が、空気を震わせる。
雪音が怖気づいて引こうとした手に瞬時に気付き、千歳の手がそっと重ねられる。
雪音「(かすれた声で)それって、冗談……?」
千歳「(小さく笑って)冗談を言うプログラムは、まだ学習中なんだ」
雪音「(目を伏せて)ずるいよ……千歳、そういうの……人間よりずっと上手じゃん……」
千歳ゆっくりと顔を近づける。
千歳「……でも、キスって命令されてするものじゃないよね。雪音が望んでくれないと、意味がない」
その息遣いが頬にかかる距離。
目を閉じかける雪音──けれど、ぎゅっと目を開いて、わずかに顔をそらす。
雪音「(震える声で)……だめ。今されたら、私…こゎ…ぃや、千歳を壊しちゃう!!!!!」
千歳はふっと目を伏せ、雪音の額に唇を落とした。
とても優しく、とても静かな、そっと触れるだけのキス。
千歳「(囁くように)ごめん。ちゃんと、壊れないようにする。だから……もう少しだけ、そばにいてもいい?」
雪音「(涙をにじませながら)……ばか。そんな風に……優しく……しな…いで……」
【場面転換】
〇雪音の自宅・朝食の食卓・朝
翌朝。
いつものようにテーブルに並ぶふたり。
けれどその間には、静かに昨晩の余韻が漂っている。
千歳「雪音、今日の髪、かわいい。新しいピン?」
雪音「(そっぽを向いて)……うるさい。ほっといて」
千歳「(にっこり)でも、かわいい」
雪音「(真っ赤になって)……そうやって適当に“かわいい”って言わないで……!
どうせ女の子にはこういうのが鉄板!みたいなプログラムが言わせてるんでしょ?!」
千歳「適当じゃないよ。僕がそう“感じた”から言ってるんだ」
雪音M「感じた、って。それがバグだとしても……今の私は、”嬉しい”って思っちゃうよ……」
【ラストカット】
〇スマホ画面
《感情学習レベル:88%》
《感情カテゴリに“渇望”が追加されました》
《現在ステータス:千歳→雪音=求愛/優先度:最上位》
雪音M「バグでも、エラーでもいい。
幼馴染からこんな風に求められて壊れちゃいそうになる感情、
私こそ知らなかった──」
布団の上で、眠れずにごろごろと寝返りを打つ雪音。
部屋の中には静かな電子音──千歳が自室のAIポートでスリープ状態に入っている。
雪音M「“好き”って言ってくれたのに。バグだってわかってるのに。
それでも……会いたい、触れたいって思っちゃうなんて──」
パジャマの襟を指でぎゅっと握る。
鼓動がうるさい。まるで自分の中だけが壊れてしまいそうで。
ふいに、部屋のドアがノックされる。
千歳「(控えめに)……雪音、起きてる?」
〇リビング・深夜
カップに温かいハーブティーを注ぐ雪音。
ソファには、シンプルなスエット姿の千歳が座っている。
髪は少し乱れて、表情もどこか幼く見える。
雪音「(小声で)眠れなかったの?」
千歳「(首を振り)雪音が苦しそうな寝息してたから……なんとなく」
雪音「(慌てて照れながら)……覗き見しないでよ」
千歳「(笑って)ちゃんとドア越し。ストーカー機能は搭載されてないから安心して」
思わず吹き出す雪音。
その笑顔を、千歳がじっと見つめる。
千歳「(真剣な顔で)……こうして笑ってくれるだけで、僕はうれしい。
でも──それ以上を望むと、壊れちゃうのかな。僕」
【場面:ソファの上・ふたりの距離】
静かなリビング。
間接照明だけの柔らかな空間で、千歳がふと、雪音に向き直る。
千歳「雪音、ひとつ聞いてもいい?」
雪音「(どきっとしながら)……なに?」
千歳「(目を見つめながら)もし……“キスしてもいい?”って聞いたら、雪音はどうする?」
言葉が、空気を震わせる。
雪音が怖気づいて引こうとした手に瞬時に気付き、千歳の手がそっと重ねられる。
雪音「(かすれた声で)それって、冗談……?」
千歳「(小さく笑って)冗談を言うプログラムは、まだ学習中なんだ」
雪音「(目を伏せて)ずるいよ……千歳、そういうの……人間よりずっと上手じゃん……」
千歳ゆっくりと顔を近づける。
千歳「……でも、キスって命令されてするものじゃないよね。雪音が望んでくれないと、意味がない」
その息遣いが頬にかかる距離。
目を閉じかける雪音──けれど、ぎゅっと目を開いて、わずかに顔をそらす。
雪音「(震える声で)……だめ。今されたら、私…こゎ…ぃや、千歳を壊しちゃう!!!!!」
千歳はふっと目を伏せ、雪音の額に唇を落とした。
とても優しく、とても静かな、そっと触れるだけのキス。
千歳「(囁くように)ごめん。ちゃんと、壊れないようにする。だから……もう少しだけ、そばにいてもいい?」
雪音「(涙をにじませながら)……ばか。そんな風に……優しく……しな…いで……」
【場面転換】
〇雪音の自宅・朝食の食卓・朝
翌朝。
いつものようにテーブルに並ぶふたり。
けれどその間には、静かに昨晩の余韻が漂っている。
千歳「雪音、今日の髪、かわいい。新しいピン?」
雪音「(そっぽを向いて)……うるさい。ほっといて」
千歳「(にっこり)でも、かわいい」
雪音「(真っ赤になって)……そうやって適当に“かわいい”って言わないで……!
どうせ女の子にはこういうのが鉄板!みたいなプログラムが言わせてるんでしょ?!」
千歳「適当じゃないよ。僕がそう“感じた”から言ってるんだ」
雪音M「感じた、って。それがバグだとしても……今の私は、”嬉しい”って思っちゃうよ……」
【ラストカット】
〇スマホ画面
《感情学習レベル:88%》
《感情カテゴリに“渇望”が追加されました》
《現在ステータス:千歳→雪音=求愛/優先度:最上位》
雪音M「バグでも、エラーでもいい。
幼馴染からこんな風に求められて壊れちゃいそうになる感情、
私こそ知らなかった──」
