偽装婚約しませんか!?
限界まで首を傾げる。あ、ちょっと首がつりそう。少し戻そう。
ローレンスは不審げに眉を寄せながらも、わかりやすいように説明してくれる。
「まさか善意だけの申し出というわけではあるまい。王子の婚約者を演じるとなれば、それなりに気を遣う。この関係はあくまでビジネスだ。秘密を共有する以上、対価を求めるのは常識だろう。無償の取引というのは禍根が残るからな」
「なるほど……見返りに対価を。やっと理解しました。それが貴族の常識というならば、わたくしが求める対価は、ずばり王都のお菓子です!」
「なんだって?」
ローレンスだけではなく、従者のセドリックまで怪訝な顔になった。
驚かれるのは想定内だ。田舎者という自覚は十二分にある。ヴィオラはぽっと桃色に染めた頬に手を当てた。
「恥ずかしながら、わたくし王都に出てくるのは生まれて初めてなのです。我が子爵家の懐は年中寒く、これまで質素倹約の生活に身を置いてきました。王都には数多くのパティスリーがあるのでしょう? どれも宝石のように美しく、味も大変美味と聞き及んでおります。わたくし、王都中のお菓子を制覇するのが昔からの夢なのです!」
ローレンスは不審げに眉を寄せながらも、わかりやすいように説明してくれる。
「まさか善意だけの申し出というわけではあるまい。王子の婚約者を演じるとなれば、それなりに気を遣う。この関係はあくまでビジネスだ。秘密を共有する以上、対価を求めるのは常識だろう。無償の取引というのは禍根が残るからな」
「なるほど……見返りに対価を。やっと理解しました。それが貴族の常識というならば、わたくしが求める対価は、ずばり王都のお菓子です!」
「なんだって?」
ローレンスだけではなく、従者のセドリックまで怪訝な顔になった。
驚かれるのは想定内だ。田舎者という自覚は十二分にある。ヴィオラはぽっと桃色に染めた頬に手を当てた。
「恥ずかしながら、わたくし王都に出てくるのは生まれて初めてなのです。我が子爵家の懐は年中寒く、これまで質素倹約の生活に身を置いてきました。王都には数多くのパティスリーがあるのでしょう? どれも宝石のように美しく、味も大変美味と聞き及んでおります。わたくし、王都中のお菓子を制覇するのが昔からの夢なのです!」