偽装婚約しませんか!?
彼の隣にいるべきなのは、身分も教養も美貌も兼ね備えた名家のご令嬢である。野山を駆け回り、美容やファッションより食欲を優先する残念な令嬢はお呼びではないのだ。
立ちすくむヴィオラに、ローレンスは柔らかく笑いかけた。
「直す必要なんてないよ」
「……へ?」
「素直な性格はヴィオラの長所だ。変える必要なんてない。俺が好きなのは、ありのまま君だからね。どうかそのままでいてほしい」
「いやいや、何を言っているんです。顔にそのまま感情が出る王族なんていないですよね!? 絶対に無理なやつですよね!? うまく丸め込もうったって、そうはいきませんよ。わたくしは騙されませんから」
セルフォード子爵家は取るに足りない弱小貴族だが、ヴィオラは何でも信じる父親とは違って警戒心は人並みにある。乳母から世の中の危険な事例を口を酸っぱくして注意され続けてきたのだ。
つまり、都合のいい話には裏がある。甘い汁を吸うだけ、リスクなんてひとつもない。そんな夢のような話は存在しない。
立ちすくむヴィオラに、ローレンスは柔らかく笑いかけた。
「直す必要なんてないよ」
「……へ?」
「素直な性格はヴィオラの長所だ。変える必要なんてない。俺が好きなのは、ありのまま君だからね。どうかそのままでいてほしい」
「いやいや、何を言っているんです。顔にそのまま感情が出る王族なんていないですよね!? 絶対に無理なやつですよね!? うまく丸め込もうったって、そうはいきませんよ。わたくしは騙されませんから」
セルフォード子爵家は取るに足りない弱小貴族だが、ヴィオラは何でも信じる父親とは違って警戒心は人並みにある。乳母から世の中の危険な事例を口を酸っぱくして注意され続けてきたのだ。
つまり、都合のいい話には裏がある。甘い汁を吸うだけ、リスクなんてひとつもない。そんな夢のような話は存在しない。