この恋は、賞味期限切れ
学校について教室に入ると、まだ陽菜乃も凪も来ていなかった。
特にやることもないため、だらだらとスマホを見て時間を潰していると、突然目の前に影ができた。
「おはよ、悠月」
ばっと顔を上げると、いつも通りの凪がいた。
その顔を見た途端、私のなかに昨日の記憶とぐちゃぐちゃな感情が蘇る。
しかしそれを悟られないよう笑顔の仮面で隠し、いつもの私を装う。
「あの、さ。昨日話したことについて早速相談したいんだけど、いまいい?」
......やっぱり。
思わずため息をつきたくなる気持ちを押し込み、私は頷いた。
昨日の空き教室に連れ込まれ、凪が話し出すのをじっと待った。
「悠月に頼みたいことがあって。」
......だと思ってた。
心はどんどん重くなるが、それを無視して努めて明るく聞く。
「陽菜乃のことでしょ?なんかあったの?」
そういうと、凪は必死な顔をして言った。
「5月にテストあるじゃん?それの勉強会を陽菜乃と一緒にしたいと思ってて」
「でも俺からいったら絶対陽菜乃来てくれないから、悠月から誘ってくれないか。」
......ああ、きっつ。
必死な凪を見て、冷めてしまう自分が心底嫌いだ。
「うん。いいよ。協力するって言ったしね。」
それでも、君の頼みを断れないのは惚れた弱みというやつなのだろうか。