苦手な同僚が同担だった件について。
彼の独占欲
竜矢くんの家に向かっている。
家に着くまではずっと心臓の音がうるさくて、聞こえてしまうんじゃないかとハラハラしていた。
もういい大人だけど、やっぱり好きな人の家に行くのは緊張する。
いや、彼氏になったんだよね……?
「……っ」
ああ、もう。中学生じゃないんだから、いちいち緊張するな。
でも、未だに信じられない。
あの竜矢くんが、私のことを想ってくれていたなんて――。
「どうぞ。あんまり綺麗じゃないけど」
「お、お邪魔します……」
かなりドギマギしていたが、リビングに入った途端に緊張はどこかへ飛んでしまった。
「えっ!? amamの撮り下ろしポスター!? 当たったの!?」
「実はそうなんだ」
リビングに大きく貼られていたのは、雑誌amamで桂馬が初の単独表紙を飾った時にプレゼント企画としてあった、撮り下ろしの限定ポスターだ。
とにかくビジュアルが良すぎて雑誌は十冊買ったが、ポスターは当たらなかった。
「まさか生で拝めるなんて!」
「いやーこれ当たった時今年の運使い果たした? って思ったよね。しかもサイン入り」
「桂馬の生サイン!! あの……、写真撮ってもいい?」
「いいよ」
緊張なんてどこへやら、推しを前にするとそれどころではなくなってしまう。
お言葉に甘えて、何枚も写真を撮らせてしまった。