苦手な同僚が同担だった件について。


 よく見れば、部屋のそこかしこにエルナイがいる。
 アクリルスタンドが飾られていたり、ライブグッズが飾られていたり、CDが綺麗に並べられていたり。
 何だかそれだけで安心してしまった。


「ふふっ、竜矢くんの部屋って感じだね」
「グッズ買うようになったらやっぱり飾りたいよなーと思って。いつの間にかこんな風になってたよね」
「わかる」
「かける、麦茶でもいい?」
「あ、もちろん。ありがとう」


 そう言って出されたマグカップもエルナイだ。


「……なんかすごく新鮮」
「何が?」
「こんなにエルナイだらけの部屋、静奈の家しか見たことないから」


 まあ自分の家もそうだけれど。


「静奈って、よく聞く友達?」
「そう。旦那さんにエルナイの布教成功したらしいよ」
「やったじゃん」


 静奈の旦那さんも交えてエルナイ談義、なんて楽しそうだな。
 静奈にもちゃんと竜矢くんのこと紹介したいし――彼氏として。


「……っ!」


 やばい、彼氏って意識したらまた緊張してきた……!


「かける」
「はいっ!?」


 思わず上擦った声が出てしまった。


「一応二次会ってことだったけど、飲みながらこれ見ませんか?」


 見せられたのはエルナイの去年のライブDVD。それを見た瞬間、気持ちがすぐに切り替わる。


「是非ご一緒させてください」


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