苦手な同僚が同担だった件について。
社会勉強と新しい仕事の出会いを求めて行ってみたら天王寺社長も来ており、名刺を交換して話したら「うちの会社に来ないか?」と誘われたらしい。
「俺は営業のつもりで話してたのに、まさかスカウトされるとは思わなかったよ。社長の話聞いてたら面白そうだなって思って、入社を決めたんだけどね」
「改めて社長直々にスカウトされるってすごいよね。そりゃ期待されてるわけだ」
「社長、かけるのことも褒めてたらしいよ」
「えっ!? 私のこと知ってるの!?」
「妃乃さんが言ってた。すごいよな、社員全員の顔と名前覚えてるんだって」
知らなかった……。
中途入社の事務員のことを社長が把握してくれてるなんて。
「そういうの嬉しいよな。めちゃくちゃやる気出る」
「うん、すごく嬉しい」
「でもかけるとの時間が減るのはキツいかも」
確かにこれからとても忙しくなるだろう。
明日も朝から大事な打ち合わせがあると言っていたし。
「……今日、泊まる?」
「っ!」
上目遣いで見つめられて、頷きたい気持ちをグッと堪える。
「ダメ。竜矢くん、明日早いんでしょ?」
「かけるが起こしてよ」
「だーめ。初日が大事なんだからしっかり自分で起きないと」
「え~」
子どもみたいに拗ねる竜矢くんがかわいいけど、ここで甘やかすのはダメ。
竜矢くんにとって大事な大きなプロジェクトなんだもの。