苦手な同僚が同担だった件について。
しばらく抱き合ってから少し離れ、竜矢くんの頬に触れる。
目の下にクマができているようだ。
「大丈夫? 無理してない?」
「大丈夫だよ」
「休める時にちゃんと休んでね」
「ありがとう」
竜矢くんはふわりと優しく微笑む。
思わず笑い返すと、竜矢くんが顔を近づけてくるので思わず両手で押さえた。
「ダメだってば!」
「えー?」
不満げに見つめられてもダメなものはダメだ。
「かけるがキスしてくれたら、もっと頑張れるのに」
「もう……っ」
「大丈夫、誰も見てないよ」
「~~……っ」
この会議室は一番の角部屋で人目に付きにくい場所にある。
だからあまり聞かれたくないような話をする時に重宝する会議室なのだけれど、こんな使い方は良くないんじゃないかな?
「かける、ダメ?」
「……ばか」
そんな風にねだられたら断れないって、わかっててやってない?
ずるいなぁと思いながら背伸びして首元に腕を回して、彼の唇に触れるだけのキスをする。
「これだけだからね?」
「ありがと。めちゃくちゃ元気出た」
嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、こそっと耳元で囁く。
「――この続きは旅行でしようね」
「……っ!」
ああ、もう。本当にこの人はずるいんだから。
寂しいと思っていた気持ちを一瞬で吹き飛ばして、甘く捕らえて離してくれない彼が本当にずるい。