苦手な同僚が同担だった件について。
お礼を言って一口飲み、いよいよ本題を切り出す。
「あの、私に話したいこととは?」
「はい……というか名乗りもせずにごめんなさい。金井乃華と申します」
「あ、角田かけるです」
「角田さん、突然すみません。竜矢から聞いているかもしれないんですけど、私……」
「以前お付き合いされていたんですよね?」
「……はい」
やたらと気まずそうにするのは、私が今の彼女だからなのだろうか。
それとも、別れた原因が自分の浮気だと知られていると思っているから?
何にせよ彼女の話を聞かないとわからないので、背筋を伸ばして話を聞く姿勢を整える。
「別れた原因は聞いていますか?」
「一応……」
「バカですよね。一時の感情に流されて浮気して、自滅するなんて。ほんと自業自得だなって思います」
乃華さんは心底後悔しているのだろうと思った。今にも泣きだしそうな表情をしながら、絶対に泣くまいと堪えているように見えた。
「竜矢が私を好きでいてくれてるのはわかってました。でも、ある時ふと気づいちゃって。いつも連絡するのは私からだってことに」
意外だな、付き合う前から何かと誘ってくれていたのは竜矢くんの方だったのに。
もちろんそれは口に出さずに黙って聞いていた。
「竜矢は私に会いたいと思ってくれてないのかな? 私のこと好きじゃないのかな? そう思ったらどんどん不安になって、一緒にいても気持ちが同じじゃないような気がして――お酒の勢いで、一夜の過ちってやつです」
「そう、だったんですか……」