苦手な同僚が同担だった件について。

エピローグ



「みんなーーっ! 準備できてるかーー!?」
『おーー!!』
「L.knightsドームツアー初日だぞ! 盛り上がる準備できてんのか!?」
『おーー!!』
「最後まで俺たちから目離すなよ!!」


 桂馬の煽りでドーム全体のボルテージは最高潮だ。
 一曲目が始まり、桂馬と香の姿が見えた瞬間、言葉にならない思いが心の底から湧き上がる。

 ペンライトを振り回し、コール&レスポンスで叫ぶ。
 どの瞬間も一秒たりとも見逃せない、瞬きすらも惜しい。

 待ちに待ったドームツアー初日。
 奇跡的に当選し、私と竜矢くんは一緒に入っていた。
 席は違うけど、静奈と旦那さんも同じ日に参加している。始まる前に会ってお互いに顔合わせすることができた。

 静奈の旦那さんは銀治(ぎんじ)さんという名前だった。
 年は三十三歳で職業は建築士。一見おとなしそうに見えるが、喋るとすごく面白い。
 とても話し上手で趣味が幅広いからなのか色んな雑学にやたらと詳しく、博識だ。

 すごく気さくな人でコミュ力の高い竜矢くんと相性抜群で、すぐに仲良くなっていた。


「男性のエルナイファンに会えて嬉しいっす!」
「竜矢くん、今度飲みに行こうよ」
「是非!」


 こんな感じで私たちを差し置き、勝手に盛り上がっていた。
 静奈はこそっと私に耳打ちする。


「竜矢さん、めっちゃいい人じゃん。良かったね、いい人に出会えて」
「静奈もね」

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