苦手な同僚が同担だった件について。
だけど自分は頼んでいる側なのだからと、グッと堪えて頭を下げる。
「お願いします、誰にも言わないでください」
「えっ! そういうのやめて! 最初から言い触らそうなんて思ってないよ」
「そうですか」
「誰にも言わない。ただその代わりと言っては難だけど、お願いを聞いてくれないかな」
彼にしては珍しく、遠慮がちで少しもじもじしていた。
どことなく犬みたいだと思いながら、私は尋ねた。
「何でしょう?」
あまり無茶なことは言わないで欲しいけれど。
「エルナイのコラボカフェに一緒に行ってくれない?」
「……はい?」
ごはんを奢って欲しいとか、一度くらい飲みに付き合って欲しいとかそんなことを想像していた。
斜め上の頼み事にまたポカンとしてしまう。
「えっと……、コラボカフェにですか?」
「うん、今やってるでしょ」
もちろん知っているし、何なら毎週末通っている。
あと少しで全メニューコンプリートするところだ。
「ずっと行きたいと思ってたんだけど、男一人で行くのはハードル高すぎて……でもどうしても行きたくて!」
確かにその気持ちはわかる。
コラボカフェというものは大抵が女性をターゲットにしているし、メニューも内装も可愛らしい。
ごくたまに男性同士で来ている人を見たことはあるけど、一人というのはない。
「お願いします! 付き合ってください!」