苦手な同僚が同担だった件について。


妃乃(きの)さん、角田さんにも声かけるんだ。やさしー」
「そりゃ誘わないのも変でしょ。絶対来ないってわかってても」


 ……そういう話は聞こえないように話すのが最低限のマナーだと思うけれど。

 まあ、別にどうでもいい。
 会社は仕事をするところ。馴れ合う場所ではないのだから。

 私はいつも通り自分の仕事をやるだけだ。


「角田さんって仕事早いし的確だしすごいとは思うけど、なんてゆーか……ロボットみたい」
「わかる。笑ったところ見たことないよね」
「いつも定時退社だし、何してんのかなぁ」
「こら! おしゃべりしてる暇あったら手動かしなさい!」


 天王寺さんが言うと、ひそひそ話をしていた女性社員たちは慌ててPCに向き直る。
 一瞬私と目が合うと、気まずそうに視線を逸らした。

 もう慣れているし、別に気にしないけれど。


「お疲れ様でした。お先に失礼します」


 今日も一日のタスクを完璧に終わらせて、定時きっかりに退社する。
「お疲れ様」とにこやかに笑いかけてくれたのは天王寺さんだけだった。

 いや、この日は天王寺さんだけではなかった。


「お疲れ様です! あれ、角田さんもう帰っちゃうの?」


 突然現れた男性社員に思わず顔をしかめそうになってしまう。
 私はこほん、と小さく咳払いしてから答えた。


飛鳥(あすか)さん、お疲れ様です。お先に失礼します」
「えっ、今日飲み会だよね。来れないの?」
「……予定がありますので」
「えぇ〜〜」


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