苦手な同僚が同担だった件について。
「俺はガチで好きなのに、出会い目的なんでしょ? とか言われたら嫌じゃん。だから怖くてできなかったんだよね」
「そうだったんですね……」
男性アイドルを推す同性ならではの悩みがあるのだなぁと思った。
それと同時に意外だった。
飛鳥さんはいつも人の中心にいて、誰からも好かれて悩みなんてない人なのだと思っていたからだ。
「だから角田さんがこうやって付き合ってくれるの、すごく嬉しい。あの、良かったらこれからも友達……っていうか、エルメイツ仲間として付き合ってもらえたらすごく嬉しいんだけど……」
いつもはグイグイ話しかけてくる飛鳥さんが、遠慮がちに言うのでちょっと意外に思ったしかわいいとも思ってしまった。
「私も友人が結婚準備で忙しくて、しばらく現場は控えるというので飛鳥さんが付き合ってくれたら嬉しいです」
「ほんとに!? ありがとう!」
ホッとしたような笑顔がまたかわいい。
なんだか気持ち悪いな、私……。飛鳥さんのこと何回かわいいって思った?
「じゃあ推し活の時は敬語やめてよ」
「えっ」
「俺ら同期だし、年も近いでしょ?」
「一応二十八ですけど」
「一個下か。まー、一個違いはタメと変わらないし。敬語だと仕事っぽくない?」
「……わかりました」
「改めてよろしく!」
こうして苦手な同僚が同担の推し活仲間になった。
たった一枚のブロマイドからここまで発展するなんて思ってもみなかった。
社内の人とプライベートを一緒に過ごすなんて絶対有り得なかったのに、まさか自分から誘ってしまうなんて――。
だがそれだけ飛鳥さんに興味を抱き始めてしまった事実を、認めざるを得なかった。