苦手な同僚が同担だった件について。
はっきり言ってかなり苛立つけれど、引き受けてしまったからにはきちんとやらないと気が済まない。
あの歌番組は配信アプリでリアルタイム視聴できるし、最悪電車の中で見よう。
本当はうちのTVで大画面で見たかったけれど、録画してるから後で見れば良い。
一旦目の前の案件に集中した。
だが掘れば掘る程粗が出てくる。それを正しく修正するのにまた時間がかかる。
簡単なんて言っていたのに、全くそんなことはなかった。
ああ、どうしよう、このままでは間に合わない……!
いつの間にか時計を何度も確認してしまっていた。
「……あれ、角田さん?」
急に声をかけられて顔を上げると、飛鳥さんだった。
「珍しいね、角田さんが残ってるの」
「あ……、はい。ちょっと苦戦してる案件があって」
「どれ? 俺も手伝うよ」
「えっ!? いえ、大丈夫です」
鞄を持っているからもう帰宅するところだったのだろう。
今から帰ればリアルタイムに間に合うはずだ。
「二人でやった方が早く終わるから」
「でも……っ」
「そしたらリアタイできるでしょ」
小声でこそっと囁いた。
「だから、そのために飛鳥さんは先に帰ってください」
「角田さんもリアタイできなきゃ意味ないよ。ほら、貸して」
「……っ、ありがとうございます」
「巻きで終わらせよう」
そう言ってニコッと微笑んでくれた飛鳥さんに、ちょっぴりドキッとしてしまった。