苦手な同僚が同担だった件について。


 まあとにかくこの件はこれで終了したので、肩の荷が降りた。
 新しい案件をいくつか振ってもらったので、優先順位を決めて進行スケジュールを立てた。
 スケジュールを立てて物事を進めていくのは嫌いじゃない。

 仕事に集中している時間は、余計なことを考えなくていい。
 今日も自分のタスクを完璧に遂行するだけだ。


 *


「飛鳥さん! 角田さんから聞きました、昨日はありがとうございましたっ」


 お手洗いに行って戻る時、廊下から声が聞こえた。
 チラッと覗くと戸川さんと飛鳥さんだった。
 早速お礼に行ったのね。


「歩美のせいで飛鳥さんにもご迷惑かけちゃったみたいで……本当にすみません」
「いや、大丈夫ですよ。俺は大したことしてないし、ほとんど角田さんがやってくれたので」


 爽やかにカラッと返す飛鳥さん。
 だが戸川さんはグイグイ迫る。


「でも! 今度お食事とか……お礼させてくれませんか?」


 逃したチャンスをまた別のチャンスに変える戸川さん、流石だなと思った。
 やはり彼女は子うさぎの皮を被ったハンターだ。


「いや、本当に大丈夫。お気持ちだけで充分です」


 そしてそれをサラリと交わす飛鳥さんも、やはり慣れている。
 このまま聞き耳を立てているのもどうかと思うが、自分の話が出たので何となく出て行きづらい。
 早く話を終えてくれないかと思っているが、戸川さんは負けじと食い下がる。


< 46 / 140 >

この作品をシェア

pagetop