苦手な同僚が同担だった件について。
思わず目頭が熱くなり、何かがこぼれ落ちそうになるのに気づいて慌ててハンカチで押さえた。
びっくりした。
飛鳥さんがそんな風に思っていてくれていたなんて。
ものすごく嬉しい。
「それじゃあ、俺はこれで」
カツカツという靴音が聞こえて、飛鳥さんがこちらに向かってくる。
私は慌ててトイレに駆け込んだ。
多分気づかれずに済んだと思う。
「……あれは、ずるいよ」
デスクに戻りづらくなってしまったじゃないか。
ふと鏡を見たら、とても真っ赤な顔が映っていた。これのどこがロボットだというのだろう。
あれ以来、自然と飛鳥さんのことを目で追うようになってしまった。
今まではむしろ視界に入れないようにしていたのに、無意識に飛鳥さんのことを探してしまう自分がいる。
【今日からエルナイの新しいCM! 楽しみ!】
そしてこんなメッセージが届く度、嬉しくなってしまう。
社内ではコミュ力の高いデキる営業マンなのに、プライベートでは推しのアイドルの一挙一動に喜んでいる。
こんなギャップを知っているのは、私だけ。そのことに優越感を感じてしまうようになり、流石にマズイと思った。
ダメだ、このままでは絶対にヤバい。
これ以上深入りしたくない。この気持ちに気づきたくない。
――かけるちゃん、好きだよ。
私は二度と、恋愛なんてしたくない。