苦手な同僚が同担だった件について。


 静奈と別れた電車の中で、飛鳥さんからのメッセージが届く。
 通知がきた瞬間、ドキッとしてしまう。


【お疲れ様です! 急だけど、明日ここに行きませんか?】


 その後に送信されたのは、見覚えのある場所だった。
 これは多分、この前桂馬と香が街ブラロケで行っていた原宿じゃないかな。
 何となく写っているショップの看板に見覚えがある。


【この前行ってたロケ?】
【そう! 原宿で食べ歩きしよ】
【いいよ】
【やった!】


 わーい! という桂馬のかわいいスタンプが送られる。
 桂馬もかわいいけど、これを送る飛鳥さんもかわいい。

 原宿は高校生の時は友達とよく行ったけど、社会人になってからはほぼ初めてかもしれない。
 桂馬が行かなかったら行ってなかったんだろうなぁと思うと、推しは自分の行動範囲すらも広げてくれる。

 こうして月に一度は必ず飛鳥さんと遊びに行っている。
 それも私が行きたいと思っていたところばかり。

 ああ、楽しいな。
 明日は何を着ていこうかな、なんて柄にもなくソワソワしてしまった。

 これはデートじゃない、ただの推し活だから。
 誰にしているのかわからない言い訳をしながら、翌日を迎える。

 悩んだが、歩くことを想定して足元はスニーカーにした。
 ブルーストライプのシャツに細身のデニムで、甘くないけどシルエットが綺麗に見えるコーディネートを選んだ。


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