苦手な同僚が同担だった件について。


 静奈は昔から趣味が幅広い。
 エルナイにハマる前は別のアイドルのファンだったし、漫画やアニメも詳しい。

 フェスも好きでよく行くのだが、旦那さんになる人もフェスに行くのが趣味なのだという。
 音楽の好みが似ていたことから意気投合したらしい。


《今はエルナイを教え込んでるところ》
「英才教育じゃない」
《まあそんなところ。出会って二ヶ月なんだけど、なんか勢いでそういうことになった》
「そうなんだ……え、おめでとう」
《ありがとー。かけるが忙しくない時に話そうと思ってたのに、まさかこんなことになると思ってなかったよ。実は親にも話してない》
「そうなの!?」
《うん、ガチでかけるが初めて》


 そう言われるとちょっと嬉しい。
 静奈とは本当にずっと一緒にいる。数少ない心を開ける大切な親友だ。

 寂しくないと言えば嘘になるけど、幸せになって欲しい。


《結婚式来てね。スピーチお願い》
「私でいいの?」
《かける以外に頼めないよ》
「わかった、任せて」
《ありがとう! それと、これから色々と忙しくなるからしばらく現場は控えるかも》


 現場というのは所謂ライブやイベント等の推しに会える場所のこと。
 エルナイの現場は必ず静奈と一緒に行っていたけど、こればかりは仕方ない。


「お金もかかるし大変だよね」
《ほんとそれ。香に貢げないの苦痛すぎる》
「せっかくの晴れ舞台なんだから、自分に目いっぱい使いなよ」
《彼氏にも言われたわ》


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