苦手な同僚が同担だった件について。
「ストーカーとかではないよ! ……ただ、前に付き合っていただけ」
その答えを聞いた時、胸の奥からザラザラとした嫌な感覚を感じた。
予想はしていたけど、いざ突きつけられるとなんだかモヤモヤする。
だけど角田さんの表情から決して良い恋愛ではなかったようだ。
何となくこれ以上追及されたくないだろうと思ったから、強引に話を変えた。
「前から思ってたけど、かけるって良い名前だよな」
「えっ?」
「カッコいいよね。角田さんにピッタリだし」
「え……、そうかな?」
実際に口にしてみて改めていい名前だなと思った。
角田さんは少し照れたような表情を浮かべながら、名前の由来を教えてくれた。
それを聞いて正にピッタリの名前だと思った。
「ねぇ、これからはかけるって呼んでいい?」
「えっ!?」
「一回呼ぶと何回でも呼びたくなる」
「な、なにそれ……」
「大丈夫! 会社では角田さんって呼ぶし、絶対呼び間違えたりしないから」
我ながら子どもじみているという自覚はあった。
元カレに対抗して名前で呼びたい、なんて。
「かけるも俺のこと名前で呼んでよ」
「えっ」
「もしかして、知らない?」
「し、知ってる! 知ってるけどっ」
「本当に知ってる?」
「知ってるって! ……竜矢さん、でしょ」