苦手な同僚が同担だった件について。


 ……やばい、何これ。
 初めて呼ばれた名前は想像以上にクるものがあった。


「さんはやだ」
「!?」
「なんか距離あるじゃん」


 だけど、元カレと同じ呼び方は嫌だ。
 見るからにあいつは年上みたいだったけど、俺たちは一個違いだし同期なんだし。


「……竜矢くん」


 きっと色々葛藤しながら、そう呼んでくれた。
 恥ずかしそうに、頬を赤らめながら。


「まあ、それでいっか」


 真っ赤な顔がかわいかったから、思わず笑顔がこぼれていた。
 やっぱりかわいいな、かけるは。

 かけるのこういう一面を知っているのは、俺だけがいい。
 他の誰にも知られたくない。自分だけが独占したい。

 誰かに対してそんな風に思うなんて、初めてだった。

 ……ああ、そうか。
 気づいてしまえば簡単なことだった。

 俺はかけるのことが好きなんだ。
 本当はもうずっと前から惹かれていた。

 お互いに恋人ができたらこの関係は終わりにしようと言ったけど、そんなの考えられない。
 かけるの隣に別の男が並ぶかもしれないなんて、想像しただけで発狂しそうだ。

 かけるの隣にいるのは俺がいい、俺だけがいい。
 自分がこんなにも独占欲の塊だったなんて思わなかった。


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