苦手な同僚が同担だった件について。
昨日鬼のような業務量をこなしていたせいか、今日は朝から落ち着けていた。
竜矢くんが朝から取引先と会うことになっていたらしく、自宅から直行していたことも幸いした。
顔を合わせただけで気まずくなってしまう。
しばらくは会いたくないな……。
そんな調子で今日も仕事に没頭していた昼過ぎに事件は起きた。
「あ、あの、角田さん……」
話しかけてきたのは新卒二年目の男性営業マン、橋本さんだった。
恐る恐る私の顔色を窺いながら、遠慮がちに尋ねる。
「A社の案件なんですけど……」
「それなら先程送付したと思いますが?」
「は、はい。一キャンペーン分はいただいているのですが、もう一つの方がまだでして……」
もう一つ?
橋本さんから依頼があったA社の案件は一件だけだったと思うけれど。
「えっと、メールには二キャンペーンって書いたんですけど……」
言われてメールを確認した。
内容を追っていくと、確かにもう一つキャンペーンがあると書いてある。
「あっ……、すみません、見落としていました……」
「い、いえ、僕の書き方がわかりづらくてすみません……」
「いえ、私のミスです、大変失礼いたしました。今すぐ対応します」
「あの、この案件どうしても今日中にクライアントに提出しないといけなくて……」
「かしこまりました、絶対に終わらせます」
「す、すみません」