苦手な同僚が同担だった件について。


 ああ、なんということだろう。私らしくないミスをしてしまった。
 確かに少しわかりにくい書き方だとは思うが、きちんと読めばわかることだった。

 確認を怠った自分の失態だ。こんな凡ミスをしてしまうなんて、はっきり言ってかなりショックだった。
 だが落ち込んでいる場合ではない。そんな暇があったら手を動かさなければ。


「すみませーん。B社の発注書送ったのってどなたでしたっけー?」
「あ、私ですけど……」


 一度手を止めて挙手する。


「あれ、角田さんですか? なんか発注書の金額がおかしいみたいなんですけど……」
「え?」


 背中にヒヤリとするものを感じた。
 慌ててB社の発注書を確認すると、ゼロが一つ多いことに気づく。
 一瞬にして頭の中が真っ白になった。


「す、すみません……」
「どうしよう……この金額で発注かけちゃったって電話が……」
「申し訳ございません……!」


 有り得ない、なんというミスをしてしまったのだろう。
 こんなこと、絶対あってはならない。


「私、直接謝りに行ってきます!」
「いや、でも」
「本当に申し訳ございません」


 とにかく一分一秒でも早く、と思うのに手が震えてしまう。
 心臓もバクバクと鼓動が止まらない。

 A社の案件も本日中に仕上げなければいけないのに、何をしているんだろう……。
 本当に最悪だ。


「俺も一緒に行きます」


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